バルブクリアランス

Z750GPのバルブクリアランス調整

数年前にエンジンのOH&チューニングをした車両です。

バルブクリアランスを測定、調整の作業のはずが…

いわゆる旧車でありまして、いつもながら困った作業が追加となります。

ヘッドカバーやカムカバーの締め付けボルトのメスネジのトルクが足らなくなり、最後になめてしまいます。

そのたびにハンドドリルで下穴を開けて、ヘリサートタップを切って、ヘリサートを挿入するという作業です。

そもそも20年も30年も経過した部品ですから、何がおきても不思議はないわけなのですけどね。

あと困るのが、カムシャフトのベースサークル部分でクリアランスを測るわけですが、ベースサークルの位置(角度)によって、クリアランスが違い過ぎるという点。

例えば、0.10mm~0.25mmという具合。

0.10mm指定の場合、最小で0.10mmのクリアランスになるようにシムを選択したときに、大きい場所ではその2.5倍ものクリアランスになってしまいます。

でも最大で0.10mmになるようなシムを選択してしまうと、最小の場合ではクリアランスが0以下の角度ができてしまい、カムがバルブを押して圧縮がまったくなくなってしまいます。

当然、この選択は不可ですので、最初の方のクリアランスが大きくなりすぎる側を選ばざるを得ないのですが…

それなりにタペット音は出てしまいますので、気になる人はいるでしょうね。

カムシャフトを保持している数が少ないし、カムホルダーの内径とカムシャフトの外径のクリアランスが大きいので、ホルダー内でカムが上下左右に動いているのも原因ではないかと思います。

となりの気筒のカムが押した角度のときにクリアランスが大きくなりますので、カムがホルダー内で上方向に押し付けられているのだと思います。

ハイカムに強化バルブスプリングの組み合わせだと、更にその方向に力が加わりやすいので、この傾向が強くなるのではないでしょうか?


現在のエンジンのようにコンパクトなエンジンですと、カムも短く支持する箇所も多く、しっかり保持できますので、このような不具合は出にくいのですけどね。

というようなことを考えながらヘリサート加工とバルブクリアランス調整をしました。

旧車を良い状態で維持するのは大変ですね。

woodstockのブログ



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