ZZR1400用オーリンズリアサス
ZZR1400にオーリンズのリアサス装着です。
オーナー様はスレンダーなかなりの軽量級ライダーでありまして、オーリンズ出荷時の状態では硬すぎるということで、組み込む前にいろんな作業を施します。
まずは出荷時のセッティング内容を調べてみますと、全長160mm設定のスプリング、スプリングレートは95N、これに対して15mmのプリロードがかかっていて、この状態でプリロードアジャスターが最弱になっていました。 ここから約8mmほどさらにプリロードをプラスできる仕様が初期状態です。
一番プリロードがかかって23mmというのはいかがなものかと思い、お客様思いのウッドストックは初期のセッティングから変更して組付けます。
しかし160mm設定というスプリングが本当に160mmあるかどうかも怪しいので、早速スプリングコンプレッサーでスプリングを外します。
結果は158mmくらいしかないことがわかりまして、160mmだったら15mmのプリロードのはずだったのですけど、実際は13mmのプリロードがかかっていたことが判明。
このようにスプリングにはかなりの個体差がありますので、同じZZR1400用でも15mmのものもあれば、今回のように13mmのものも、ときには16mmのものもあるわけでして、一度計測しておくと自分のサスペンションの本当の数値が把握できていいのではないでしょうか?
ちなみに今回組み込もうと思っていた85Nのスプリングは159mmでしたので、もともとの状態のまま組むと14mmのプリロードスタートというこになっていましたね。
軽量ライダーが一人乗りという使用状況を考えたら、もとのプリロード15mm(たまたま158mmバネなので、このサスは13mmですが)スタートから23mmまでイニシャルがかかるというのはもったいないので、今回は10mmスタートで18mmくらいまでの間でプリロード調整ができるようにアジャストしました。
下の画像にあるように油圧アジャスターのストッパーの大きなナットをネジネジしてオフセットします。
またまたスプリングコンプレッサーで組付けます。
ここまで手をかけてやっと車体に組付けました。
あらかじめリアの車高を計測していましたのが、今回の仕様で組んでみると数ミリ車高が下がってしまいました。 やはりスプリングイニシャルをかなり抜いているから車高は下がりますよね。
で、今度はサスペンションの全長を調整する(伸ばす)ことでノーマルの時と同じくらいにしました。
一緒にタイヤを50扁平から55扁平に交換してタイヤ外径が変わったので、かなり車高を調整しないといけなくなりましたので、オーリンズの車高調整や油圧のプリロードアジャスター、さらにはプリロードアジャスターをナットで上下にスライドできる機構はとても役に立ちますね。
せっかく高いお金を使っていいものを買うわけですから、この辺の調整機構を上手に使いこなさないともったいないですよ!
で、で、やっと静止状態での調整がおわって、今度は試乗に出かけまして、前後の高さ、動きのバランスを考えてリセッティングします。
今回は喜久川が乗ってみて減衰を多少変更してみて、かなりいい状態になったというので自分も乗りたくなり確認してみました。
自分が乗ってみるともっとフロントのイニシャルをかけたいと思いましたが、喜久川はオーナー様の体重を考慮するとこれくらいの方がいいのでは、という意見。
結局はぼくが折れて喜久川案で納車することになりました。
出荷時のまま乗っている人の方が多いのが現状だとは思いますけど、ウッドストックではこのように全日本ライダーであり、オートバイ雑誌のインプレッションもするライダーが試乗したり、全日本メカニック(自分で言うとすごく恥ずかしいかも)のぼくがセッティングしていますので、ウッドストックで購入してくれる方はかなりお得だと思いますよ。
せっかくパーツ変えても気持ち良く走れないと面白くないですものね。
どしどしご要望にお応えしますので、何なりと申しつけてくださいませ。