カッコいいマシンって
シックスシューターの西村さん
もう20年近くウッドストックのレーサーやカスタムペイントを手掛けてくれておりまして、ハーレーなどのお洒落なカスタムの世界では裏方として、随分と多くの作品を世に送り出してる職人さんです。
昨日、彼のモトグッチのフロントフォークのOHでウッドストックに久々にやってきましたので、やってはいけない長話しに…
ほとんどは下ネタで残りの1割はまじめなお話。
この業界で唯一、「カッコいい」という形、人、物に対して同様の価値観を共用できる人物ですので、その下ネタ以外の部分では洋服や家具や車の造形などについてお話しました。
その中で、実際に従事しているオートバイの「カッコいい」とは…
まずはカッコよく走れるようなマシンかどうか。
カッコよく走れるとは、安全に、綺麗に、気持ち良く、目的地に行って、そして帰ってこれるか? ということ。 これがすべての大前提。
この前提をクリアしたら、造形や配色などの細かい部分です。
よくオートバイ雑誌に載っているカスタムマシン、見た目にリアが高すぎて、どう見てもフロントが切れ込んで怖そう…
車高が低すぎてまったくバンク角なさそう…
タイヤが太すぎて小さなギャップでもハンドル取られそう…
スイングアームが垂れ過ぎててまともにリアサス動かなそう…
ハンドル、シート、ステップの位置関係がおかしくて操作しにくそう…
などなど、これらのバランスが崩れて見える車両はやはりカッコよくは見えません(僕は)
バランスとなると、旧車に太いラジアルタイヤはアウトだし、強烈にたくさん補強の入ったフレームやアンバランスに太いスイングアーム、不必要にパワーアップしたエンジンもそうです。
これ人間に置き換えると、80歳90歳のお年寄りを本人の要望でもないのに、筋肉増強剤でムキムキに改造して、元々弱っている骨をその筋肉に負けて折れないように部分部分に補強でくっつけて、強い心臓を移植しちゃったりしたサイボーグなお年寄りなのかな?
でもこれってバランスで言えばやっぱりアンバランスですよね?
いろんなパートを強くしても、全部は変えれませんし、残っている肉体は大変だと思うのですけど…
あとは大きさのバランス。 ホイールは小さくしても、フレームやエンジンの大きさは小さくなりません。
メーカーが時間と大金使って開発したオートバイは非常にバランス良く作っています。
これをたった数カ月とたった数百万円でメーカーに勝るものは作れません。
自分たちのできることはその基本を崩さずにオートバイオーナーの細かい要望(ポジションは合わせた方が乗りやすい、サスは乗り方、体重に応じて調整するなど)に応えることくらいにしておいた方がいいのではなどと思います。
その地味な作業以上の面白い作業がしたかったら、以前にも書きましたけど、オリジナルに近いマシンを作ることではないでしょうか?(フルオリジナルは設備、技術、頭の能力で不可能そうですので)
というような乗って当たり前のバランスがしっかりしたら、シックスシューターやウッドストックなどの形が作れる人たちによって、各パーツを作って、よりカッコよく装飾すればバランスの良いオートバイになるのではないでしょうか?
いつかはシックスシューター西くんと一緒にオリジナルマシン作りましょうかね?
やっぱりブリッデンカッコいいわ~