ワンオフ製作
ハンドルが~
トップブリッジとの位置関係がとてもおかしいことになってしまうハンドルクランプの製作です。
ZX-4(懐かしいですねー)になんとか楽なポジションを、というご依頼でこのようなへんてこりんなパーツを作ってみました。
なぜこのような形になったの?
一般的なハンドルクランプでアップハンドルにすると、ハンドルを左右に切るとマスターシリンダやクラッチレバーが絶対にスクリーンに干渉します。
いろんなタイプのハンドルをあてがって確認してもダメで、依頼を引き受けたものの、これはいつもなんとか形にしてしまうウッドスックでもギブアップかな? と思いましたが、この方、遠く四国から広島までオートバイを乗って来てくれており、無理でしたと返すわけにもいかないので、トップブリッジ上の狭い空間を利用して、どのハンドルを使って、どんな形の(製作可能な範囲の)ハンドルクランプで、しかもライダーが満足する(いくらかは妥協してもらわないといけませんよ)ポジションになるかを本当に悩みました。
なので、この画像をぱっと見て、「変なの」なんて思わないでくださいね。
変だけど…
これでもやむを得ず少しはハンドルの切れ角は減らしています。
当然、ブレーキホースは長くしないといけませんし、配線も取り回しを変える必要があります。
このようなまさにオーダーメイドの仕事、コピーして同じものを作るのは何十分の一の時間でできます。 この形に落ち着くまでがとても大変なことなのです。
最近メールや電話などでの問い合わせで、当然のことながら図面はない、部品を送るから機能してカッコよくなるように、採寸から始めて、どのような形にしたら機能するかを考えて、図面を描いて見積もって欲しいという依頼。
冗談じゃないですよ。 だって、このような作業の場合、ここまででほとんどの工程が終わっているわけですから。
ワンオフの場合、機械で加工する時間は一連の工程の中で一割程度のものなのです。
だから、ほとんどの工程を終えて開発が終わっってから、製作加工するだけのカタログや通販にあるようなキットものはお安いのです。
実際、ウッドストックでワンオフする場合の金額設定はかなーり安いと思います。
なんでかというと、日頃のご愛顧に感謝して、せっかくの大事なオートバイのカスタマイズのちょっとしたワンオフくらいはサービスしてあげましょう、という親切価格なのです。
自分たちもオートバイが好きだし、お客様にカッコいいオートバイに乗って喜んでもらいたいから、本当は辛いけど、ワンオフ製作をお受けしているわけですので…
このZX-4のお客様は「ウッドストックさんを信頼していますので、金額は言いません、納期も言いません、よろしくお願いします」と新幹線に乗って帰られました。
そんなに信用してもらえるとぼったくれるわけないし、いい加減な仕事をするわけにはいきませんよね?
喜んでもらえるように、なんとかしてあげようと、頑張らざるをえませんよね?
初めて電話かけてきて、難しい単品製作の見積もり依頼が来て、(ワンオフは元々サービスなので)お安く提示して、値切られました。 なまいきですけど、正直言いまして、その仕事は欲しくないですし、時間の無駄です。
なぜなら、信頼してくれて仕事を依頼してくれる多くのお客様に時間やエネルギーを使ってあげないと申し訳ないじゃないですか?
そのためにことらも時間やお金えをたくさんかけて修行してきたわけですから。
愚痴愚痴言ってごめんなさい。
今日もウッドストックを頼りにしてくれているお客様のオートバイの作業を一生懸命頑張ります。