エンジンオーバーホール
ウッドストック工場(いつも工場とカッコつけて言ってるけど、小さな掘立小屋の作業場です)では毎日おざおざがオートバイパーツを加工しており、ウッドストックの店では私がいろんな問題を抱えたオートバイと格闘しています。
この何年かは仕事のご依頼があっても、その内容を伺うと 「これは受けたら事故る案件に違いないぞ、どうにかして断らないと…」 というようなものが後を絶ちません。 特に旧車はこのような問題満載の修理?というよりは開発?なのでは的な不具合を抱えている車両がたくさんあり、長期にわたり入庫したままになっているオートバイも少なくありません。
通販で購入してきた旧車が原因不明の不調だったり、他店でキャブレターを交換したら調子が悪くなったりして、「エンジンのオーバーホールはしてあるはずなんだけど…」 であったり、「キャブは新品でいろいろ調べてみんなが付けているジェットにしたんだけど…」 などと言ってこられたりしますが、オーバーホールにも各々の基準があって、分解して組むだけでもOHと言っているところもあるでしょうし、ほとんどの部品を新品にしている高級店的OHもあるでしょうし、その内容はピンからキリまでありますよね。 キャブセットにしてもシャシー台でパワーが出るようにメインジェットだけ合わせてあげるだけなら時間もかからないし誰でもできるでしょうけど、実走行をしながらのセットアップはそれはそれは手間ひまかかるものなのです。 ですから、簡単でいいからお安い方法でオーバーホールして、ちゃちゃっとセッティングをすぐやって、というようなことは不可能ですし、だったらそのまま乗ってくださいとお願いするか、または新しいインジェクション車に乗ってくださいとお願いするしかなくなってしまいます。
などなど、言っているうちに難問を抱えたオートバイの分解されたパーツがところ狭しと並べられているウッドストックでは分解したパーツを綺麗に洗浄して、各部の測定をしてから修正や加工をするためにおざおざ工場に移動していきます。
上のシルバーのシリンダヘッドは面研が完了したところ。
こちらの黒いシリンダヘッドはバルブガイドの入替えとバルブシートカットが完了して、これから面研をするところです。
こちらのGSX1100Sはキャブレターの調整での入庫。 TMRは嫌ですー、と断ろうとしたのだけど、そこを何んとかして、と持って来られました。 何とかしてと言われると弱いんですよね~(泣)