GPZ900Rエンジンオーバーホール
GPZ900Rのエンジンオーバーホール
分解したクランクシャフトは少し振れが出ていたことで、サービスマニュアルでは一応許容範囲内ではありましたが、やはり大切な足腰の要のクランクということで大事を取って、数ある中古クランクの中から振れを測定して一番良いと思われるものを、更に先日の当ブログでもご紹介しました磁気探知機でクラックなどの傷のチェックをして良い状態で使えるようにしました。
http://woodstock-racing.com/blog/web.php?menu=blog_0_175&cmd=detail
更にクランク本体やメタルの寿命のことやフリクションをなくすために、ピン、ジャーナルの面をピカピカにラッピングしてあります。
ピストン、ピストンピン、サークリップ、コンロッド、コンロッドボルト、ナットは重量を測定し、4組が同じ重量になるように組み合わせてから各グループを決めていきます。
なるべく長く調子良く乗りたいというご希望で、ピストンはノーマルのまま、シリンダとのクリアランスはまだ規定値内に入っていましたので、シリンダホーニングで対処することになりました。
こちらがホーニング完了の状態。
そんないろいろな下準備を経て、やっと組付けにかかることができます。
トランスミッションは純正で手に入るギアは全部新品にしたいというオーダーでしたので、出来るだけ新品に交換してあります。
とはいえ、かなりの種類が廃盤になっており、こんな車種でさえOHしにくくなってきているのかと寂しくなりましたね。
バルブシートカットは擦り合わせに頼って、無理矢理バルブとシートを引っ付けるのが嫌なので、当たり位置、幅を確認しながら、いつのもように丁寧に丁寧に仕上げていきます。
シートカットをしたら真空引きの測定機できちんとバルブとバルブシートリングが密着しているかどうか数値で確認しています。
これで思うような数値が出ていないところはもう一度シートカットをして仕上げます。
もちろん職人の感も大事ではあるのですが、感にプラスして数値で確認することで成功の確率は確実に上がりますので、分解してからの測定、作業してからの測定は疎かにすることはできませんね。
クランクやミッションを組ために裏側になっていたクランクケースは正立になり、まずはピストンの上死点を出します。
今回新たにヨシムラさんのカムシャフトを組みますのでウッドストック工場でカムスプロケットの取り付け穴を長穴に加工して、しっかりとバルブタイミングを調整しました。
エンジンオーバーホールという名の作業、ウッドストックではこのような感じで進めています。
どれだけ手をかけるかはショップ、工房さんによって様々だと思いますが、レース用のエンジンとは異なり何年も何万キロも使うことが前提の作業ですので、絶対に壊れないということは不可能ですけど、壊れない確立を上げるためには、やはりいろいろな方法で確認して精度を上げることが大切なのではないでしょうか?