元々、他のショップさんでECUの書換えが施工されていましたこちらのR1。
実際に乗ってみたり、ダイノで測定してみると、手を入れたいなと思う部分が多々ありましたので、Garage414さんと共同でセットアップをしました。
ダイノ上で測定できる馬力やトルク、空燃比は数値に従って各項目の数字を整えていけば、そのうちグラフだけは良い数値になっていくのですけど…
数値だけはですね…
ですけど、オートバイというものはグラフを見て楽しむものではなく、マシンを眺めて楽しむものだけではありませんので、乗ってみて気になるところを克服するためにはどこのどの項目をどのように調整していくかが経験と腕の見せ所と、自信満々で臨んだ作業でした。
そのはずだったのに…
ここではおおざっぱで鈍感な私が乗っても、「結構いいんじゃないのー」 といい加減なことになってしまいますので、これまでもJSBやST600のレーサーからCB1300やNinja H2などの市販車ベースの化け物みたいなマシンを乗りこなしてきました、Garage414の光元選手(社長様)に試乗してもらいながら、電子スロットルの開け方、点火時期、燃料の増減などなどを調整しながら探ってみるものの、なかなかターゲットに対して適切なアプローチが出来ず、パソコン作業と試乗を繰り返すという迷路にはまってしまいました(泣)
このような繊細な作業に比べると、パワーを上げるとか、空燃比を合わせるなどの作業がいかに簡単なことかを思い知らされます。
実際にストリートでピークパワーが5馬力上がったからと言って、5馬力のオートバイが10馬力になる5馬力のアップだと、それはそれは速くなったと喜ばれるでしょうけど、175馬力が180馬力になったところで、ストリートではその上がった数字の部分を使うことはほとんどないでしょうし、それに気付くような仙人のような人もほとんどいないはずです。
キャブレターのセッティングもそうですけど、ストリートの場合には通常ほとんどの時間、アクセル開度がとても狭い領域を使っていますけど、その開度の調整をするのが非常に難しく、調整に時間を要するものなのです。
ピークだけ出す、メインジェットを合わせる、インジェクションであれば全開域のマップを作ることは誰でも出来ると思うのですけど、グラフなどの数値では目立つことのない地味な領域に着目した時にきちんと調律の整っている車両と出会うことはめったにない気がします。
こんな偉そうなことをぬかしていますけど、こちらのR1もオーナー様にご指摘されていた不具合を完全に解決することが出来ず、オートバイショップにありがちな 「ちょっとこれで様子を見てみて下さい」 と半ばで負けましたと、敗北宣言をしながら納車するという結果となりました。
まだまだECUに対しての理解が浅いと反省しながら、しっかりと勉強しようと思える作業でした。
また触らせていただけるならチャレンジしたいと思っております。
そして、こちらのYZF-R1にもウッドストックのステップが装着されていて感激でした。
自分たちの作ったステップが使われているマシンを試乗するのも嬉しいものですし、他のメーカーさんのステップが着いたマシンを乗るのも大変興味がありますね。
「へー、この部分はウッドストックよりも良いなー」 とか、「ここはうちの方がこだわって動きが良いぞ!」 とか、次の創作意欲に繋がります。
デザインはだいたいウッドストックの方がカッコいいですけどね。
でへへ…