CBR1000RR-Rライディングステップ開発 vol.2【バックステップ開発】
CBR1000RR-Rのステップキット開発の続編です。
測定、ポジションの設定、図面製作を経て、試作品を実際に作って、マシンに装着してみました。
ステップのベースプレートとサブプレートはフラットな一枚物を2枚重ねるオーソドックスなタイプです。
一部ポジションでは問題ないのですけど、上記の画像の位置になるとリアマスターシリンダのプッシュロッドの裏側がスイングアームに干渉しそうなくらい接近してしまいました(泣)
逆にステップ位置を前方&上方に移動させると、ご覧のようにブレーキホースのフィッティングがシートレールにぶつかり、取付け不可能になってしまいました(大泣)
ブレーキホースの交換が前提でしたら設計も簡単なのですけど、ABSのこちらのホースを交換するとなると、とても大変な作業になりますので、ステップの交換がボルトオンで簡単になるようにしようとすると、どうにかしてブレーキホースはノーマルのままで使えるようにしたいと考えました。
だって、自分がステップを交換する担当だったら、このホースの交換は絶対にやりたくないくらい大変そうなんですから…
更に、左のシフト側もフラットなプレートの2枚を重ねる仕様にしてみましたら、ヒールガードがスイングアームにぶつかりそうな近さになってしまいました(大大泣)
こんな壁にぶつかった時にウッドストックがすることは、いつも簡単な方法よりは面倒くさくて凝った加工でクリアしようとすること…
こーんなどでかい材料からオフセットな形状のブラケットを製作してみちゃおうかなー、という方法にしてみることに…
とは言え、材料代も大幅にアップしますし、何よりも加工時間がまったく違いますので、ビジネス的にはアウトな流れになりました。
そうやって、いつもいつも自分たちの首を絞める流れになってしまうのが、悪い癖ですね~
そして、お次の試作はこちら。
写真では分かりづらいですけど、いろんな面の高さが違っており、なかなかの力作になりましたね。
で、で、なんとウッドストックには珍しく12ヵ所のポジション可変の仕様です。
何でって? どこが良いポジションになるのか自信がないのですよ~、
まあ、これだけ数打てばどれか当たるかなーという、後ろ向きな作品なのであります。
このオフセット形状によりスイングアームとの干渉もクリアして、マスターシリンダの取り付け部分を2か所にすることで、ブレーキホースもノーマルのままで使えるようになりました。
左側も同じように干渉等はなくなりました。
シフトペダルはステッププレート以上に分厚い材料から一体で削り出している力作です。
ベース車両が久々のホンダ様の力作ですので、ウッドストックとしても出来るだけ豪華な仕様にしてみました。
ステップバーはこれまでの仕様の他に、RC213V用に製作しましたライディングステップで採用した、レース用の極グリップの高級バージョン、ペダル先端バーはペダル本体とはボルトで脱着できる可倒式のペダル先端バーも選択できるようにしたいと予定しています。
何も変わっていないように見えて、確実に進歩しているウッドストックです。
製品が完成しましたら、また紹介させていただきますので、お楽しみになさっておいてくださいませ。