ステアリングステム ワンオフ製作準備

Z900RS

ステアリングステム

サスペンション

このところの当ブログではウッドストック工場での製作物のお話が多かったですけど、店の方ではとてもたくさんの車両が入庫しており、慌ただしく作業を進めているところです。


こちらはZ900RSのリアサスのスプリングのバネレートの変更。
柔らかいスプリングにプリロードをかけるのと、硬いスプリングでプリロードを抜くのはどちらが良いのかが気になるオーナー様のためにネタを用意している風景です。
よく聞く考え方で、初期旋回しないからリアの車高を上げたい、フロントフォークの突出しを増やしたいという声を聞きます。
しかし、そんなに簡単なことではないことが多く、ガレージでオートバイが止まっている状態でしか考えられないとなると、そのような解釈になるのかもしれませんけど、実際の走行状況ではライダーがどのように操作しているのかで大きく車体の姿勢は変わってくるものですので、様々な角度から物事を捉えてから数値を変更していかないと、きちんと動く(動かせる)マシンにはなりません。


それは国際ライダーのようなエキスパートと思われるようなライダーでさえ、同じようなコメントになる場合が多いですし、セッティングの流れ次第で、このライダーはどんなライディングをしていて、どんなマシンにしたがっているのかが解るようになったりもします。
実際にサーキットでのセッティングに関わると、トップクラスのライダーのコメントと、もっと頑張らないといけないライダーのコメントはまったく違っていることが多く、目指すマシンの動き、動かし方に大きな差異があるのだなと、思いしらされることが多かったです。
また、上記の画像のようなサスの小変更であれば、調整の範囲内ですので、大きくフィーリングが悪化する(乗っていて危ないくらい)ようなことはないのですけど、旧車のカスタムマシンによくあるタイヤの外径が変わったりすると、途端に状況が悪い方に行ってしまっている車両が物凄く多い気がします。
実際に入庫してきたオートバイを試乗すると、キャスターが立ち過ぎているとか、トレールが多過ぎるなどなど、安心してマシンに身を任せれない車両が多くて驚きます。


タイヤ(ホイール)の外径とステムのオフセット量の変化によって、オートバイの基本的な動きに大きく関わっているキャスター角度やトレール量がとても変化するものなのに、安易に他の車種からの流用などにより、この車種でこの数値では絶対にまともに走らないでしょ、という状態になったマシンの手直しをすることも多々あります。
こちらの画像はステムのワンオフ製作で入庫した旧車のステムのオフセット量を決めるためにCADで描いた図です。
決まっているのはタイヤの半径とキャスター角。 そこからトレール量を何ミリに設定するかで、ステムのオフセット量を導き出す為にこのような作業が必要になります。 これを適当に設定すると、フロントが敏感すぎたり、鈍感すぎたりしてしまいますので要注意ですね。


トレール量をいろんな数値で図面にしてみて(これはブログ用に100と105で解りやすいようにしてみました)…


その時にはフォークオフセットは何ミリになるかなと、逆算的に数値を出すとこのようになりました。
トレールを100mmに設定すると、フォークオフセットは38.01mm
トレールを105mmに設定すると、フォークオフセットは33.49mm
逆にフォークオフセットを何mmに設定すると、トレールは何mmになるというように計算することもできますので、現状のマシンを診断する上で数値化してみると、自分のオートバイがどんなハンドリングのマシンなのかが解ることになります。
というように、ワンオフでの製作の場合には実際に加工を始める前の段階の確認作業に多くの時間をかけなければいけませんので、少々お高くなってしまいます。 しかし、これらの数値を整えるとオートバイが素直に楽に乗れるようになりますので、カスタムの際には絶対に必要な作業ではないかと思います。


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