レースは挑戦なりよ
GSX‐R1000K7.K8用のリアサスリンクとスプリングの数々です。
この車両でレースをするにあたり、リアの動きを改善するためにトライし始めたところ、2シーズン終わってみると色んな仕様を作りまくってました。
1番右のリンクがノーマルです。他のリンクとの形の違いがお分かりでしょうか?
リンクの後ろにあるスプリングはそれぞれのリンクで使用していたものです。
まだまだ沢山のレートのスプリングを使っていたのですが写真に収まりきらないくらいあるので少しだけ紹介しますと…左から160N、150N、140N、120N、105Nです。
オーリンズのTTXシリーズのリアサススプリングは130Nまでしか設定がないので、140N~のスプリングには写真の1番左にあるスペーサーを作って使っていました。
1番左の大きなリンクはふにゃふにゃに動くリンク(ノーマルとは比べ物にならないくらいストロークが大きくよく動くが、あまり踏ん張ってくれないのでトラクションが弱かった)で、160Nのスプリングを主に使っていました。
これは昨年の岡山国際サーキットで行われた全日本選手権で喜久川選手が使用していた仕様です。
左から2番目のリンクはもう少しトラクションが掛かる仕様で、130~150Nのスプリングを使っていました。
これは昨年の鈴鹿8耐で本田選手と民辻選手のマシンで使った仕様です。
今年の鈴鹿8耐や全日本でもこのリンクを使用したライダーが複数いたようです。
3番目のリンクはオーリンズとは相性が悪いらしく、喜久川選手も本田選手も練習で一度しか使ってくれませんでした。
1番右のノーマルリンク、これはこれでサスがしっかりしていれば十分使えるリンクです。もう少ししつこくノーマルで追求しておけばよかったかなと今になって思っていますが…
この写真のリンクが最終型で、1番ノーマルに近いデザインになりました(ノーマルよりはストロークの止まる感じをぼかしています)。
スプリングは120~140Nくらいで使っていました。
今年の全日本の後半戦で本田選手が使って結構ポイントを稼いでいましたね。
リンクと一緒に作ったリンクロッドはエンドの別部品を交換することで長さを変える事ができる優れもので、メンテナンス性も良いので非常に重宝したパーツです(エンドピースの部分がマフラーで丁度見えないのですがけっしてもったいぶってるのではありません。見てみたい方はお店まできてね)。
とにかくリンクのデザインが少し変わるとバネレートやプリロードの設定が大きく変わるのがとてもおもしろいのです。
woodstockとしてはあまりレースに出れなかったのですが、色々手がけた車両でした。というか、苦労の多いバイクでした。