ウッディーのプチ知恵袋
前回のレース用ステアリングステムの続き…
写真ではわかりにくいですがブラケット本体とステムシャフトの間に位置するカラーがあります。
フォークオフセットを可変できてしまうブラケットで、数ミリ中心からずらした位置に穴をあけており、それを引っくり返すことでオフセットを変えることができるシステムにしています。
例えば、穴を中心にした時に28㎜オフセットのステムだった場合、2㎜偏芯したカラーにすると30㎜と26㎜のオフセットがえらべます。 3㎜偏芯にすると、31㎜と25㎜のオフセット、というように、カラーのみを作り変えることで、いろいろなオフセットを作ることができてしまうわけです。(ステム本体の大きさに限りがあるのである程度数字はかぎられ、極端なオフセットは無理ですが)
下の丸いやつ
これはキャスターを変えることができる物体であります。
ノーマルのステムベアリングの代わりにこれを打ち込むことでキャスターを寝かせたり、立てたりして使います。
当チームでは 0.5°、1.0°、1.5°程度を用意してセッティングしています。
小さくてあまり凄そうじゃないパーツなのですが、驚くほどハンドリングが激変します。(良くも悪くもですが)
しかもブラケットに対してベアリングは角度がついて入らないといけないので、見た目よりも加工が大変なパーツです。
フロントだけでもサスペンション突き出し量、スプリングのバネレート、スプリングのプリロード、オイル油面、ダンピングの設定など、これに加えて、上に書きましたフォークオフセット、キャスターなど変えられる要因がたくさんあるので、最近のレーサーはセットアップに費やせる時間が重要になっているわけです。
これらの積み重ねでタイムや順位が決まってくるので、ファクトリーチームとプライベートチームの成績が大きく違うということになるわけなのです。
なかなか良い成績は残せずにいるのですが、いろんな方法論でレースをすることでお客様のマシンに対して良いアドバイスや処置ができるものと信じてやっています。(かっこよかったかな?)