Zのシリンダヘッド修正
ウッドストックでオーバーホールしたZのエンジンですが…
シリンダヘッドの燃焼室のまわりが溶けてる…
2番シリンダと3番シリンダのIN側
デトネーションと呼ばれる現象で、異常燃焼で高温になりピストンとシリンダヘッド間のスキッシュエリアが溶けてしまっています。
点火時期、キャブレターのセッティング、圧縮比、ガソリンのオクタン価などが原因と思われますが、これに関してははっきりとは解りかねているところです。
下の写真のようにピストンのトップのサイドも同じように溶けかけてザラザラになっていました。
シリンダヘッドは通常であればデトネが消えるところまで(コンマ数ミリ)面研磨をするのですが、原因のひとつに高圧縮というのが考えられるので、パワーよりはリスク回避ということで、溶けている部分をドーナツ状に研磨して修正することにしました。
これで多少圧縮も下がるのでデトネーションの対策にもなるはずです。
加工はウッドストックのマシニングセンタでするのですが、ひとつの燃焼室ごとにセンターを測定(これがかなり時間がかかる作業)してから切削していきます。
0.3ミリ程度の切削でザラザラ肌は消えてなくなりました。
下の写真は実際に加工しているところ。
このようにZとしては見慣れない形状の燃焼室になりました。
これでスキッシュもプラス0.3ミリになり、削った量の分の圧縮が低くなりました。
これにより異常燃焼のリスクは減ることになります。
いつもはエンジンを組む時は少しでもパワーが上がるようにと気を使いながら組み立てるのですけど(もちろんいい状態を長く維持できるようにということにも気を配っています)、今回のようなことが起こると、パワーとライフは反比例するのだということを改めて考えさせられました。