もの作りも18年目になりました
14、5年前くらいにウッドストックで作ったバックステップが装着されている車両が入庫しました。
今はパソコンで図面を描いて、CADCAMで加工データをプログラミングして、そのデータどうりにマシニングセンタが削ってくれて製品が作られているのですけど…
その時代はというと、採寸までは同じですが、厚紙(エンジンなどの純正ガスケットが折れたり、ちぎれたりしないための裏紙)に原寸で定規とコンパスで形を描いて、それをハサミやカッターで切り取って、車両にあてがいながら干渉がないかとか、かっこいいかとか確認します。
そんで、アルミの材料に青ニスを塗って、罫書き針で形状を描いてからコンターマシン(鋸刃が回っている機械)で外周を切っていきます。
穴はボール盤で開けて、ネジはタップで切って、
当然かっこいい肉抜きなんかできませんので、シンプルなポケット加工のみです。
どうしてもかっこいい肉抜きにしたいときは、ポケット加工は諦めて、内側もコンターで切り取ってから平らなヤスリと丸いヤスリでひたすら削っていました。 頼れるのはアイデアと筋肉だけでした。
そんな作業なので、辺りはアルミの粉だらけで、毎日鼻の中は真っ黒けに…
ステップバーも汎用の旋盤でつくってたな~。
この当時、とても小さくておんぼろのフライス盤があったのですけど、どうしても複雑な形状の加工がしたくて、材料を機械に固定すると縦と横にしか動かないから、両手でありったけの握力で持って自由に動かせるようにして、削ろうとしたのですが、見事に材料がエンドミルの回転に負けて吹っ飛んでいきました。 当たり前ですよね。 機械のトルクに勝てるわけないわけで…
本職の職人さんが聞いたら説教されそうなことしてました。
確かこのときは、さすがに身の危険を感じてレース用の革のつなぎを着てフルフェイスのヘルメットを被って作業していました。 バカすぎたよ~
大変でしたけど限られた工具や機械で知恵を絞りながらいろんなやり方で作っていたころはとても楽しかったような気がします。
下の写真が当時の命がけの逸品です。
APレーシングのマスターシリンダも懐かしいですね。
下の写真は現在の作品
さすがに洗練された形状に変わっています。
でも、もっと凝ったものつくれないかと日々考えているのですが…
良いアイデアあったら教えて下さいね。