悩めるGSX-R1000
GSX-R1000K5のレーサー
岡山国際サーキットでオープンクラスに出場している岸本選手のマシンです。
これが2005年シーズンから3年とちょっとセッティングをお手伝いしているのですが、なかなか難しいのです。
全日本選手権や鈴鹿8耐でも経験していたマシンなので、そこそこ自信はあったのに…
悩めるライダーと悩めるメカニックなのです。
なんで難しいのでしょう?
タイヤがスリックではなく溝つきのSPタイヤだからエンジンパワーに対してのタイヤのグリップが足りていない感じです。
しっかり路面を押さえようとしてリアのバネを硬くすると、フロントを押してしまって旋回性が悪くなる。
リアからフロントを押されるのを嫌ってキャスターを寝かせているのですが、これで1次旋回が悪くなっている疑惑があるし…
ノーマルフォークでもまだまだいけると思うのだけど、うまくストロークを使い切っていない様子。
フォークの全長が足りていないのでキャスターを寝かせているのにトップブリッジの中まで突き戻しているのですが…
自分はもっと寝かせるべきと主張、
ライダーはノーマルのキャスターに戻してみたいと主張、
同じサーキットを同じマシンで走っているのに様々な考え方があっておもしろいですよね。
3年走ってもまだまだ小さなセッティングを変更したり、また、まったく思考を変えて大胆に仕様を変更したりしているわけで…(北の国からの純風)
例えば、エンジンのパワーが上がったとか、タイヤの銘柄が変わったとか、ハンドルやステップやシートといったライディングポジションが変わったりすると、セッティングの方向ががらりと変わるのです。
旧車に最新のラジアルを履かせる、リアだけいいサスに変える、違う車種用のフロントフォークを着ける、などは大きくバランスが変わってしまうよくある原因ですが、崩れたバランスをキチンと調整しないとへんてこなバイクになってしまいます。
サーキットでもへんてこなマシンになると絶対にタイムは出ません。
岸本号のようにストリートタイヤでレースをしてくれる人がいるととても仕事の役に立ちます。
感謝、感謝、(一応、北の国からの五郎風です)しております。
そろそろK5も結果出せるように知恵を絞らねば
まずはキャスターの変更楽しみです。