エンジンブロー
岡山国際サーキットでブローしたGSX-R1000のエンジンです。
エンジンを下ろす前にインジェクションボディーを外したら、いきなり異常な状況が目に飛び込んできました。
3番シリンダのポートの中に変形したバルブの傘が埋まっている…
どう見てもシリンダヘッドの再使用不可状態です。
綺麗にポート研磨していたのに~
そしてピストンがこんなことに…
バルブとピストンがヒットしてバルブが曲がって、曲ったバルブはシートリング部に戻れないので、ピストンとバルブは何度もぶつかってこんなことになってしまったみたいです。
ピストンのアップはこんな感じ
最後に穴が開いてコンロッドの頭が少し見えています。
下の方に見えるものはシートリングが小さく粉砕された残骸です。
当然、シリンダ内壁にも傷があります。
シリンダヘッドもひどいことに…
インテークバルブは2本とも傘が折れて、1本は裏返ってポートに刺さっていて、もう1本は横を向いて刺さっていました。
長年レースをしてきた僕たちはよく見る光景なのですが、初めてこんなの見ると自分のバイクのエンジンが心配になりますよね。
ストリートで使用しているマシンではこんな状況に出会ったことはないのに、やっぱりサーキットでの部品の消耗はすさまじいのですね。
レースでは排気量を上げれなかったり、いろんな改造の制限があり、パワーを上げるためには各部のクリアランスを詰めないといけないし、圧縮をあげないといけないし、とにかく寿命と反比例することばかりなので、チューナーの腕の見せ所なのですが、いつ壊れるか分からないマシンを走らせているライダーにとってはたまったものではないでしょうね。
これにめげずに次のレースも頑張ってもらいたいです。