車高なり
お盆はとっくに過ぎているのに暑い(日差しに当たると熱いという漢字のほうが適切ではないかというくらいの気温ですね。
自分も脳みそが溶けているらしく、明らかに思考力が低下しておりますが、なんとか頑張って仕事はしています。
今回もいつもこのブログで取り上げているオートバイの車高についてです。
フロントフォークの長さ、トップブリッジのオフセット、タイヤの半径などにより(フロントの場合は)車高は変化します、ということは申し上げていたのですけど、
マシンをジャッキアップしている状態ならば関係ないのですけど、オートバイの重量やライダーの体重が乗っかると、それだけでは車高は決まらなくなります。
サスペンションのスプリングのレート、それをあらかじめ押し縮めているプリロードの量により、1Gの状態でのフォークの長さは大きく変わります。
この1Gでのストロークの長さは数ミリから数十ミリまで、車種や仕様などなどで大きく異なりますので、突き出し量を少しだけ変化させるよりも大きく車高が変化してしまいます。
なにが云いたいかというと、フォークの突き出し量はフォークの長さのみで決めるものではなく、フォークのスプリングレートやプリロード(もちろん使用状況によりまちまちですが)の設定次第で変更していかないと、いい位置が見つかりません。
例えば、下の画像のZですが、かなり突き出ししております。
このフォークは全長が815mmで、トップブリッジも10mm下にオフセットしたものを作りましたので、それなりには突き出ししていたのですけど、実際に走行してみると、思いのほかフォークの初期の動きが柔らかかったので、プリロードかけていきました。
どんどんプリロードをかけて、フォークの動きが良くなっていくと、1Gのストローク量が減ってしまい、フロントが高く感じるようになったので、さらに突き出しを増やして、写真の位置になった、という流れでした。
ですので、この車種だとこの長さという考え方ではなく、あくまでも動きの中での位置を適切にするということを考えながらセッティングするといいのではないでしょうか?
こちらは800mmのフォーク長に10mmのオフセットのトップブリッジの仕様です。
乗ってみるとスプリングレートが少し硬めな感じでしたが、プリロードが足りていないのが気になり、かけると余計にフロントが高くなりました。
タイヤが17インチということもあり、さらに突き出しを多くすると、車高が下がり過ぎるので、リアサス長を伸ばして、リアサスのプリを少し追加すると、程よくフロントを押せるようになり、普通のハンドリングになりました。
簡単な調整ですけど、フィーリングは随分変わります。
良く走るようにするためにカスタムするはずが、ノーマルよりも悪化しているケースが多々あります。
これらの多くの原因は上記のような車体姿勢のズレによることが多いので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか?
こちらは突き出しが0mm(トップキャップ分マイナス)
こちらは突き出しではなく、大量の突き戻し仕様
セッティングの流れでこんなことになることもあります。
こうなる時はリアも高いことが多いですね。(前後を上げて重心を上げるのが目的でした)
極端に前下がりとか、後ろ下がりっていうのはなしですね。