どうなるレース業界
おはようございます。
久しぶりの更新ですね。
ブログも久々ですけど、ウッドストックも数日お休みしていた関係で電話が絶え間なく鳴ていまして作業がなかなか進みませんでした。
ウッドストックの今の状況は店舗ではお客様の対応や作業を自分ひとりでしなければならないので、作業を待ってもらっているお客様には大変ご迷惑をおかけしており、申し訳ないことになってしまっています。
皆さんが思っているよりも時間がかかるのが見積もりでして、特にカスタムの場合はきちんとした金額を出そうとすると、各部を分解してから採寸をして、製作物の形や加工の仕方を大まかでもイメージしてから一品づつ金額を決めなければいけません。
それでも実際に作業が始まると、新車ではなくほとんどの場合中古車両の状態でカスタムを始めるので、分解したついでに消耗品(ベアリングなど)を交換したいとかいうことになり、どうしても内容を充実した良いオートバイを作るとなると時間と費用はかかってしまうことになります。
一般の整備だと作業時間や費用は出しやすいのですけどね。
お話は変わりますが来シーズンはレースの方はどういたしましょうか?
全日本選手権や8耐はまだ継続するようですが(何か凄く当たり前なことを言っているようですけど、実際どんどんエントリー数が減少しているので、そのような心配もしないといけないようです)各サーキットで行われている地方選手権やエリア選手権はなくなるという話もあるようでして…
ウッドストックを立ち上げる理由のひとつにはレースがしたいからということがありましたので、このような状況になると目標がなくなるというかなんというか…
僕どうすればいいの? っていう感じです。
レースというスポーツは何故に衰退しているのでしょうね?
先日、ウッドストックのスーパーバイクで全日本を走っていた法雲くんと話をしたのですけど、“なんであの頃はあんなにいろんなものを犠牲にしてまでレースにのめり込んでいたのでしょうね?” という法雲から質問されたときに、自分でも“なんでだろう?”ってことになりました。
(スーパーバイク、今で言うJSB1000だったら)マシンを作るのに何百万円もかかって、各レースごとに消耗品代が何十万円もかかり、転倒をしてしまうと再生に百万円単位でかかってしまいます。
時間もそうで、ライダーは仕事をする時間以外はトレーニングしたり、なにしろお金はすべてマシンにあてないといけないので、当然遊ぶお金はないわけで、おのずとレースのためだけに時間を使わざるを得なくなります。
マシンを作る側も仕事が終わってからレーサーの部品製作したり、メンテナンスしたり(今よりもレース数は多かったし、各サーキットごとにミッションギアを変えるし、エンジンのOHサイクルが短いので、いつも3基のエンジンをメンテナンスしていました)していましたので、毎日夜中まで作業するのが当たり前でした。
それでも絶対に優勝なんてできるわけがないわけでして…
とにかくレースをすると悔しい思いだけが残るわけで…
ではなんでレースするの? という疑問ですが、“リスク” なのではないかと思うのです。
お金が莫大かかるリスク、時間を捧げるリスク、たくさんの人や会社と関わるリスク、そしてなにしろ小さなミスでも命を落としてしまう大きなリスクです。
リスクが大きければ大きいほど、通常の生活の中では経験することのないくらいのプレッシャーや緊張感と戦わなければいけなくなります。
そのある種特殊な感覚を得るためにやっていたのではないのかな? っていうことを話したように覚えています。
最近のライダーの多くは前述したような大きなリスクを取らないでレースをするので、逆に楽しそうに、長くだらだらとしているように思えます。
どちらがいいとか悪いとかないのですけど、レースを引っ張ってきた本気の人々の生き残りと多数の楽しそうな人々が同じ土俵で走っているので、格差がありすぎて危険だったり、本当に早い人の本気のバトルが減っておもしろくないレースが多いから観客も減少するのかなって思います。
なくなったら困るよね。 それが好きで始めた仕事ですもの。