S1000RRオーリンズ/リンク
BMW S1000RRです。
このオートバイは昨年にいろいろとレース用のパーツを製作しており、同類の車種のなかではZX-10Rに次いで思い入れのある車両です。
しかも今回は実際に手掛けたパーツを使用していただけることになりましたので、自信を持って作業させてもらいました。
オーリンズのTTXリアサスとウッドストックスペシャルリンクを装備です。
こちらは昨年の鈴鹿8耐で酒井大作選手の要請により、ウッドストックでデザイン、製作をして好成績を残してくれた実績のあるリンク(今年も引き続き使っているようですね)を同時に装備してくださいました。
しかし…
この車種のオーリンズの設定されているスプリングは85Nということ、
少々低すぎるのではないかしら…
しかも、当リンクを使うとなると更に高いレートのスプリングが必要になりますので、まずはウッドストックの“オーリンズ箱”に使いたいレートのバネがあれば、取りあえずはそれを使ってもらおうと物色してみます。
それにしても、なんでサスを変えるついでにリンクまで? ということなのですが、
あくまでも自分の主観ですので、参考までという前提で言いますと、このマシンは数年前のGSX-R1000に良く似ている感じで、リンク周りが原因のリアサスの止まり感が強いというかストローク感が感じられにくく、例えばスプリングを柔らかくするというようなサスペンションのセッティングだけでは解決しないような雰囲気でして、実際に当時のGSX-Rでも最終的にはリンクを設計しないと思うような動きを得ることができなかったという経験から、このS1000RRでも昨年に同じような工程を経てリンクを作るに至った経緯がありました。
せっかくそこそこ実績のあるものが作れるのならということで、今回はリアサスの導入と同時にリンクをということになったわけです。
ウッドストックのレース箱の中を物色してみると、TTX用のスプリングは該当レートがありませんでしたが、46サス用の外径の大きい方のスプリングがありましたので、なんとか使えるように工夫してみます。
で、まずは85Nのスプリングを取り外します。
新品のオーリンズを購入してもらったばかりなのに、使う前にいきなり古くて、きたないスプリングと合体して可哀そうな状態に…
大きい46スプリングをTTXに装着するためにスプリングの内側のガイドになるべくスペーサを上下にかまさないといけません。
さらに同じ160mmの長さのスプリングでしたので、スペーサ2枚分ほどプリロードがかかり過ぎてしまい調整範囲外になってしまいましたので、スプリングストッパーの働きをしているリテーナをオフセットしたものを準備して使わないといけませんでした。
横から見るとリテーナがオフセットしててサスの下方向に移動しているので、車高調整の青いロックナットがほとんど見えなくなってしまいましたね。
と、ここまで読むとウッドストックどれだけサービスしているの? と疑問に思うでしょうけど、たまたまレースで使用するために作っていたパーツが使えただけでして、このレートでオーナーさんが乗ってみて、合格であれば新品のTTXスプリングを購入していただきます。
この部品たちはそれまでのレンタルなので心配ご無用というわけです。
自分が乗ってみたところ、大変動きが素直で乗っていて楽しくなりましたので、オーナーさんに乗ってもらうのがとても楽しみですね。