鈴鹿最終戦
10月30日(木)の早朝5時には自宅を出て、始発のJRで宮島口→広島、新幹線で→名古屋、近鉄で白子、タクシーで鈴鹿サーキットと低血圧人には辛いスタートで11月2日まで全日本の最終戦に行ってまいりました。
今回もウッドストックでの参戦ではなくメカニックとして依頼されてのレースでした。
天候が不順なウイークなのにピットは与えてもらえずに、終始テント生活でかなり不自由をしいられましたが、スタッフの皆様の頑張りのおかげで無事終わることが出来ました。
にしてもテントで雨が降るとまあ大変なこと…
テント内まで水びたしになりますし、走行前後はピット前までの荷物(工具、発電機、スペアホイールなどなど)の運搬…
自分はセッティングに専念するかのようなずるい態度をとって、このような辛い仕事からは上手く逃げて人にやってもらってましたので、楽をされてもらっていましたけどね…
自分の仕事というと、まだまだ慣れ親しんだカワサキとは勝手が違って整備においては失敗の連続でライダーの田村選手やスタッフの皆さんにはご迷惑お掛けするばかりで、ほんとに申し訳なく思っている次第です。
セッティングに関しては、天気予報的には早めにドライとウエットの基準値を出さなくてはいけない状況でしたので、いつものようなあまり大きな振り幅でのセッティングはしませんでしたので、自分の持ち味はでなかったのかもしれません。
前回の岡山から出来るだけ柔らかいサスペンションでも乗れるようにしてもらいたかったので、今回はさらにスプリングレートを下げてやさしい操作でしっかりタイヤを押し付けることができるようにアジャストしてみました。
結果としてはまだまだ上位陣からはかけ離れたタイムではありますけど、きっちり転倒なくドライタイヤのレース1、フルウエットのレース2ともポイントを獲ることができましたので、ライダーのレベルも少し上がったのではないでしょうか?
いくら全日本格式とは言え、中番手以降のライダーではセッティングで上がるタイムよりもライダーのスキルアップで上がるタイムの方がはるかに大きいので、自分たちは変にライダーが感じるネガを消すためのセッティングではなく、ライダーのスキルアップのためにアプローチしやすいマシンセットをしてあげる必要があると思いますので、ライダーとしては “このコメントでそっち???” ってなることもあるでしょうけど、 “黙ってこれで頑張って勉強してきてちょうだいな” ってなセットで送り出す流れになります。
しかし、レースポイントを落とすことはできませんので、最後にはつじつま合わせはしますけどね。
最初は乗りにくいと思っていた動きのマシンを乗り方を変えていくと良く曲るようになっていくことがあります。 結果、実はセッティングではなく乗り方が悪かったなんていうことはよくあること。 それに気付かずずっとマシンを触ってもセッティングが行ったり来たりして長年タイムは変わらない状況に陥っているライダーをよく見かけます。
自分が出来ているかどうかはわかりませんが、まずは状況判断をして、先ではこうなるだろうけども、現状では理想のマシンにする方向性は捨てて、ライダーのリハビリのセットで走ってもらう、ということが必要になるわけですから、トップのチームはあーなっているこーなっているっていう情報を聞いてマネをしても何の役にもたちません。
やっぱり重要なのは今の状況判断ということではないでしょうかね?
で、田村選手、自分の見させてもらった岡山の1戦、鈴鹿の2戦の計3戦すべてでポイント獲得して年間ランキングは23位と鈴鹿、岡山だけの参戦としはまずまずの成績でシーズンを終えることができました。
特に最後の雨のレースはだれでもタイヤは滑ってハイサイドなんて当たり前、水しぶきで前が見えない、マシンのトラブルが起こりやすいコンディションでしたので、最後までどうにか耐えきったことはライダーとしてもチームとしても称賛に値すると思いますし、そこに役割をを与えていただいたことにとてもありがたいと思っております。
みんな真剣で明るくて、とっても良いチームだったですね。
また機会がありましたらご一緒させてくださいませ。