ZX-10Rエンジン組み立て

ZX-10Rのエンジン組み立てです。


このエンジンはレースで使用する予定のものですので、組み立て前の測定項目がたくさんありまして、なかなか作業が進んでいませんでしたが、鈴鹿のテストまでにはスペアエンジンとして用意したかったので、土壇場にきて頑張って作業しました。


クランクメタル、コンロッドメタルの選定にはマイクロメーター、シリンダゲージで内径、外径を測定して、さらにプラスチゲージも使用して、適正なオイルクリアランスになるように入念に確認します。


その他、シリンダの内径、ピストンの外径、重量、燃焼室容積などなど、様々な重要な箇所を測定しておきます。


そうそう、作業がしやすいように画像のようなエンジン台を作ってみました。


こんなのぜったいクボピーは作るわけないと思った方は大当たりです。 

ウッドストック思いのエンジン職人のヨッシーくんが “良い環境で仕事をしないとダメだぞー” と作ってきてくれました。


頼りないウッドストックは周りの皆様に恵まれており本当に幸せものです (しっ、しっ、しっ… もっと頼りないふりをしてたらもっと助けてくれるかしら?)




でもこのエンジン台はいろんな種類のエンジンに対応できるし、本当に作業がしやすくなって、何しろ作業風景がカッコイイのがいいですね~


そして、クランクケースにピストン、コンロッド、クランクシャフトが乗っかったところです。↓↓↓


今までになくカッコイイ作業風景でしょ?





コンロッドボルトの締め付けはトルク+角度締めではなく、ボルトの伸びた量で管理します。


専用の特殊な(ってほどではないかな)マイクロメーターで測定しながらトルクをかけていきまして、カワサキの指定された0.32mmの伸びまでボルトを伸ばします。




クランクケースが完了したら、てきぱきとシリンダヘッドを組み合わして、今度はピストンとシリンダヘッドの隙間、バルブクリアランスの測定、調整、バルブタイミングの測定、調整、そしてバルブとピストンのリセスの測定とエンジンを組みながらもたくさん測定しないといけません。


もちろんこんなに測定しなくても組めますけど、トラブルを未然に防ぐには念には念を入れてあげた方が心配が少なくなりますし(心配がゼロにはなりません)たくさん同じ作業をするにしても、精度が上がりますので、このような時間をかけてするべきだと思っております。


それにしても、万事こんなだから仕事が遅くなってしまい、お客様にはたくさんお待ちいただいて申し訳ございません。


しっかりと良い仕事をしてお返ししますので、今しばらくお待ちくださいませ。







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