怒涛の4月の仕事
世間は早くも連休に入っておられる方もいらっしゃるようですが、ウッドストックでは怒涛の4月を戦っております。
そういえば動く自分の子供を当分見ていないような気が…
お茶の代わりに栄養ドリンクになっているような…
毎年のことですので、基本的には変わらない行事みたいなものなのですけど、いやはや年齢とともに体力が低下しているのか、集中力を落とさず頑張れるようにしっかりと鍛えないといけませんね?
おざおざも休まずに長期待っていただいているお客様のパーツ製作を夜を徹して頑張っています。
下の画像はJ-GP2クラスで使用するステアリングステムです。
現在、マシン製作中で、もうシーズンが始まってしまっているのに今更の納品で本当にごめんなさい。
ST600と異なり、様々な数値を各自で設定していかないといけませんので、フォークオフセットは可変式にしてあります。
ノーマルのZX-6Rはトップブリッジにステアリングダンパーの取り出しがついていますので、こちらも同じように装備しました。
しかし、この出っ張りの追加だけで材料がかなり大きくなり、それに伴い削り量も多くなりますので、少々時間がかかります。
こちらも数ヶ月お待たせしていたパーツです。
リアサスのリンク、エンジンハンガーブラケット、フューエルタンクの取り付けステーです。
フューエルタンクのステーはこのようにフック式になっていて、派手ではありませんけど結構削るのが面倒な形状になっています。
そしてリンクは何せ分厚い…
材料の時点での大きさ重さは凄いもので、このように完成した重さを比べると、どんでもない量のアルミを削り取ったものだと関心してしまいます。
そしてショップの方で格闘中なのはこちら。
たくさんのパーツを注文して組立しておりますけど、ロード用とは異なり、すんなり装着できず、細かな加工、修正を施しながら組み付けております。
無理やり組めば組めなくもないのでしょうけど、それだとウッドストックの意味がないわけでして、誰が見ても違和感がないように妥協せずにしっかりと作業を続けなければいけません。
配線の処理もしかりでして、メーター周りやその他の補機類の変更に伴い配線の加工が必要となります。 よくカスタムされた車両で燃料タンクやシートを取ってみると配線の処理がきちんとしていないと見た目にも違和感がありますし、なにしろその後のメンテナンスが非常に困難になってしまいます。
しかもこのトライアル車のように施した仕事が外から丸見えになりますので、ふだんよりもより丁寧に作業しなければカッコよくできません。
電気に強いヨッシーと弱い自分がカプラーの選択にまでこだわりながら何日にも渡って、配線キットとテスターを駆使しながら作業しています。
機能をするのは当たり前で、仕上がりがスマートに見えるように頑張っています。
このようにただ指定されたものをくっ付けるという作業だけでできたオートバイと、ひとつひとつの仕事にこだわりを持って洗練させていったオートバイでは同じパーツを使っていたとしてもまったく違うレベルの出来栄えになり、当然、走り、操作性、メンテナンスのしやすさに至るまで差が出てしまいます。
よくショップに来られる方に言われるのは、“このオートバイまだやってるの?” “また試乗するの?” という言葉です。
やはり、手をかければかけるだけ洗練されていきますし、気になる部分は改善したくなるのが当たり前のことですので、このスタンスは中々変えることができません。
しかし、これの最大の欠点はなにしろ時間がかかるということでして、お客様には本当にお待ちいただく時間が長くかかってしまい、いつも申し訳なく思っている次第です。
ここはこんなカプラーを使いたい、抵抗を入れないとノイズを拾うなどなど、その都度部品を注文するので、時間がかかってしまいます。
しかし、だんだんとマシンが素敵になっていくのが楽しいですし、全部ウッドストックに任せたと言っていただくと職人冥利に尽きるわけでして、燃えないわけにはいきません。
まだまだ製作パーツが残っていますので、体力が続く限り頑張ります。