GPZ900RエンジンOH
GPZ900Rのエンジンです。
結構なハイチューンエンジンですので、トラブルがおきないよう入念に事前の測定などのチェックを行います。
今回はクランクシャフト、コンロッドを交換することから、シャフトの歪みの測定から始まり、クランクピン、ジャーナル径の測定、メタルクリアランスの測定、クランクシャフトのラッピングまでしっかり行いました。
また、オイルへの異物の混入を極力避けるためにクランクケース内のバリ取りもして万全を期しています。
シリンダはスリーブの入れ替えをしましたので、ピストンクリアランスの測定、ピストンリングの合口測定及び調整、ピストン、コンロッドの重量測定及び重量合わせを、
シリンダヘッドはバキュームで測定しながらバルブシートカットを数値が出るまでしつこくやっております。
シリンダヘッドを組み付けてバルブクリアランスを調整し、バルブタイミングの調整をして完了となります。
エンジンのオーバーホールやチューニングについてはいろんなメニューが存在します。
その意義につきましては各項目により様々でして、絶対にやらないとオーバーホールの意味がないくらい重要な項目、せっかく分解したのだからやっておいた方が安心な項目など、これらの項目をすればするほどパワーが上がるわけではないですけど、必要な項目をクリアすればするほどトラブルが起こる可能性を減らしていけると考えると解りやすいと思います。
特にアフターマーケットパーツ(パワーアップにつながるパーツ)を組む場合においては、純正エンジンに比べてリスクは高まりますので、出来うる限りの対策はしておくべきではないでしょうか?
分解して洗浄して組付けしただけでもオーバーホールと呼べるのかもしれませんけど、細かい作業の積み重ねで精度が上がるわけですから、手をかければかけるだけ良いエンジンになり、ライフも延びるのだと信じて作業をしております。
足回りの作業でまだまだフレームに乗っかるまでに時間がかかりそうですので、エンジンオイルを入れて回しておきました。