GPZ1100Fエンジン
シリンダヘッドのカムホルダー取付けボルト穴の修正をしてやっとこさ組める段取りができたGPZ1100Fのエンジン。
エンジン本体に組む前にシリンダヘッド単体でカムシャフトを組んでバルブクリアランスを調整する作業ではカムホルダーのトルクのかかり方に問題がなかったので、安心して次々と作業を進めました。 シリンダにヘッドを乗せて、カムシャフトを組んだら予想に反して見事に一か所当時挿入したヘリサートが力なく浮き上がってしまい、ネジ山が完全にお亡くなりになってしまいました。 事前に何度もトルクを確かめて、もう大丈夫! と思った矢先の出来事で、夜遅くまで頑張って作業して、あと一息で完成だと思った夜の11時に気を失いそうになりました。
もう一度分解して修復作業です…(泣)
これだから旧車は恐い… 人間だったら何歳くらいなのでしょうね? 100歳くらいだとしたらどこに何があってもおかしくないですもんね? エンジンの材料になっているアルミニウムだって熱くなったり、冷えたり、振動が続いたり、叩かれたり、押しつけられたり、引っ張られたりして、何とか機能しているだけでもありがたいと思わないといけないくらいですので、やっぱり日々の使い方は丁寧に、そしてお手入れはとっても大事なことだと思います。
そんなこんなで修復作業も完了して(本当に完了かな???) バルブクリアランスの調整を済ませると使用しているハイカムのバルブタイミングの調整をします。
もう20数年もののヨシムラさんのタイミングホイールを使ってベストと思われるタイミングにセットできるまでクランクシャフトをくるくる回して合わせていきます。
ここまでできたらもう安心(ほんとうかな? もう旧車の洗礼は受けないかな?)
と、残ったパーツを組付けて、エンジンをフレームに乗せて、マフラー、キャブレターなどなど組付けたらドキドキしながらエンジン始動です。
何回やっても自分で組んだエンジンを始動するのは緊張するものです。
ちゃんとかかってくれるのか、変な音はしないか、オイルは漏れないか、なにせ心配性ですので、自分で試乗して問題なく走れるかどうかをじっくりと確認しないと本当に安心はできません。 この仕事を辞めるまではずっとこの緊張感から解放されることはないのでしょうね(仕事ですから緊張感があるのは当たり前ですけどね)
キャリアを積めば積むほど心配性がひどくなるのは、たくさんのいろんなトラブルを目の当たりにしてきた回数が増えてきて、症状が出る前の予防処置を施す項目が多くなってきたからかもしれません。
また明日からもこの緊張感の中、頑張ってオートバイを触らせていただきます。