FCRキャブレター仕様変更
ケイヒンFCRキャブレターの仕様変更作業です。
ウッドストックではキャブレターのメンテナンス、セッティングの他に様々な仕様を変更する作業もしています。
こちらのFCRはGS750に使えるように数年前にスピゴットをワンオフ製作したものです。
しかし、私の知識不足によりなんとか乗れるようにはしたものの、ずっと気になる症状を抱えたまま乗っていただいていました。 この度、再度いろんなトライをした結果、良い方向性が見つかり、そのための変更点としてスピゴットを20mm短いものに加工しました。
FCRの出荷状態ではボディーとスピゴットの内径の誤差で少しですが段付きがあるのですけど、せっかくのワンオフですので細部にこだわって加工しており、気になる段差もなくしてあります。もちろんそれで何か問題が出るわけではないのでしょうけど、ひと手間だけですので、あえて手を加えています。
そしてこちらはGPZ900R用のFCRです。
スロットルが重いということでレートの低いリターンスプリングに変更します。
小さなスプリングを交換するだけの作業なのにこれだけ分解しないと交換ができないので大変ですね。
スプリングの線径がずいぶん違いますね。
確かにスロットルが軽くなると長距離運転は楽になります。 しかし良いことばかりではなく、強制開閉式のキャブレターではありますがスロットルバルブの張り付きが起こる可能性が高くなりますので、基本的にはFCRの出荷時のものをお勧めしています。
あとはフューエルタンクの負圧を使えるようにするために、それ用のスピゴットの加工をします。
M5のネジを切るだけなのですけど、そのままでしたら端面は丸くなってしまい、パッキン用のアルミのワッシャーを平らに抑えられなくなりますので、きちんと面になるように加工しないといけません。
ニップルを取り付けたら完成です。
たまに少々粗い加工をして、ニップルが斜めにねじ込んであったり、面を出さずに液体パッキンでベタベタにシールしてあるものを見かけます。 横から空気を吸わなければ機能上は問題ないけど、せっかくの高価なパーツですので綺麗な仕事をしておきたいところですね。