キャブレターセッティング
GS750のキャブレターのセッティング&フロントフォークセットアップです。
実際に走行して、体で感じたフィーリングを元にセッティングを進めたものが、A/Fの値で見てみるとどうなのかを実証しながら作業を進めました。
結果としてはインジェクションとは違い、負圧のキャブレターとも違い、FCRやTMRのような強制開閉のキャブレターはアクセルの開け方で随分とA/F値が変わってしまうということ。
様々な検証をした結果、数値ばかりを追っかけてしまうと負荷のかかる実走ではベストな走りにはならいということがよくわかりました。 もちろん充分な目安にはなるわけなのですけど、そればかりに頼ると痛い目に合うということが判明。 これまでに培ってきた多すぎるくらいの経験による感覚はかなり使い物になることもわかりまして、少し安心できました。
インジェクションが例えば100マス(これ適当な数です)それぞれに燃調を変更できるのに対して、キャブレターの場合はメインジェット、スロージェット、ジェットニードル(ストレート径、テーパー角度、切り上がり)、パイロットスクリュー、エアスクリューなどのようにインジェクションに比べるとあまりにも大雑把な役割分担になりますので、セッティングに対してはかなりの部分で妥協せざるを得ないことになっていきます。 これまでこの妥協が嫌でしたので、ものすごく時間をかけていろんな組み合わせを考えて調整、試乗、調整、試乗を繰り返していましたけど、逆にA/Fデータを見ることで、良からぬ方向にいくことはなくなり、無駄打ちを減らせるようになることは時間的にもとてもありがたいことですね。
キャリパーの2ピースの合わせのボルトを旋盤で加工してお化粧していました。
そろそろ作業が完了するからとオートバイを磨いていると、キャリパーとフロントフォークを締め付けているM10のボルトがつるしのままの状態で、どうにも気になるので、やっぱり旋盤で外周を削ってお化粧しました。
やっぱりこうだわね~
こういうひと手間がマシンの質感を向上させますね。 やって良かった。
手の入ってないブレンボよりは手入れの行き届いたトキコのほうがカッコいいと思うのは私だけでしょうか? 物の価値はブランドだけじゃないですよね?
キャブの他に試乗した際に、ブレーキが良く効くようになった分、フロントフォークのストロークスピードが速いのが気になりましたので、フォークのオーバーホールと同時にスプリングにプリロードをかけるようにスペーサを製作して挿入し、それに合わせてオイル粘度を上げてスピードを落とす作業をしました。 このようにフォークにダンパーの調整機構やプリロード調整機構がなくても欲しい動きを得るためのトライはできるものでして、実際に作業後に乗ってみると、見違えるように乗りやすくなり、さらに走るのがとても楽しいマシンになりました。