Ninja H2 テイストオブツクバ参戦(Garaga414さん)
Garage414の光元選手が本日、筑波サーキットで開催されますテイストオブツクバになんとNinja H2で参戦します。 当日まで転倒やらマシンのトラブルやらでまともなテストができないままではありますけど、なんとか頑張ってレースまでこぎつけたようですので、とても楽しみです。 このH2というマシン、パワーがあって、ストレートスピードも驚くほど速いのでサーキットでも速いはずと思われている方も多いかもしれません。 ところがどっこいなのです。
スーパースポーツマシンに比べて車重が重い、スーパーチャージャー搭載ということでトルクの立ち上がりが急で立ち上がり時にトラクションを伝えにくい、そしてシャシーもレースを目的に作ってはいないでしょうから現時点ではスムースに減速してクルクルと旋回してきれいに立ち上がるなどとは無縁の非常につらいライディングを強いられるようなマシンです。
そんな曲がらないマシンですので、ついついバンク角が深くなってしまいステップのペダルの先端を地面に擦っていましたので、もう少しバンク角に余裕をもたせたいとベースプレートを20mm上方に移動した仕様をワンオフで製作しました。 擦らないと安心してまたさらにバンクしてしまうだろうからまた擦るのでしょうけど、曲がらないマシンを無理にでも曲げようとすると深く寝かせるしかなくなりますので、この対策で少しはタイムに貢献してくれるのではないでしょうか?
そして、この筑波までになんとか間に合わせたかったのがサイレンサー。 Ninja H2というマシン、後軸で200馬力以上(光元号は220くらいあります)という、しかもスーパーチャージャーが搭載されているマシンの排気の圧力と温度は凄まじいものになるみたいで、やわなサイレンサーだと温度に負けていろんなトラブルが出てしまいます。 実際に光元選手が最初に使っていた無名のサイレンサーは無残にも破裂してしまいましたし、ウッドストック仕様のサイレンサーも初期のものは細かいトラブルが出てしまいいろんな対策を施して今に至っています。
そんなこんなでおざおざが一般業務が終わって夜中に新しいサイレンサーの部品を製作してくれました。 前回よりは各部の仕様を変更して、排圧や熱の対策のほかにデザインも少し変更して作り直してくれました。
加工の途中はこんな感じで荒々しいですね。 最初は太いエンドミルで豪快に粗削りをしていきます。
削りの間隔もだんだん細かくしていくと綺麗な面に変わっていきます。
この加工はもーの凄ーい時間がかかりますので、売り物にするときにはどうしたものかと悩み中です。
組みつけたら見えなくなるのが惜しいくらい時間をかけて加工した裏側はこんな感じ。
一切の妥協を許さないと言いたいところだけど、見ておわかりのように少々粗い感じですね。裏側まで細かくやっていたらこの部品だけで何十万円もかかってしまいますので、これくらいで許してください。
いつも当ブログで見えないところまで抜かりなくなんて言っているくせにとお思いでしょうが、たまには息抜きさせてください、いや、させてあげてくださいおざおざに…
ステーは対策としてダンパーラバーを入れることになり、デザインも一新しました。
レースではいつものことになりますが今回も出発当日にパーツを手渡すというハードなスケジュールになりました。 Garaga414さんは転倒というアクシデントもあり、テストというよりはトラブルが治っているかの確認で、筑波サーキット、岡山国際サーキット、地元の高田サーキット(ここで転んだのね)、そしてオートポリスと走行しつつ、ガレージでは修復作業をして(結局はもう1台購入という離れ業までやっちゃいました)なんとかかんとかの参戦です。 ウッドストックとしてはそんなにお手伝いできてはいないのですけど、その大変な状況を見聞きしていますので、なんとか無事にレースを走ってくれたらと応援しています。
このとんでもない危険なマシンでレースに参戦するって、レースに長年付き合ってきた私からするととんでもなく凄いことなのです。 サーキットという状況下においてはスーパースポーツマシンから比べると運動性能、動力性能はとんでもなく劣っています。どちらの方向に飛んでいくかわからないマシンを抑え込んで走らせる能力、そしてすごい勇気がないとこのマシンは乗れません。 筑波は遠くてほとんど練習することもできませんので、実際に筑波で1分を切ることはできないだろうなと思っていましたけど、昨日の走行では59秒6まで出たみたいです。地元の10年20年走っているライダーさんたちと対等に渡り合うのはまだまだ経験的に難しいとは思いますけど、頑張ってほしいと思います。
サイレンサーの内部のパーツの製作と組み立てをしてくださったガレージスパイラルの中井さん、非常にタイトな時間だったのに無理を聞いていただきましたこととても感謝しております。 転んですぐに壊したらまた修復してくださいね。