ゼファー750バルブシートカット&CBR400FエンジンOH
ゼファー750のエンジンチューニングです。
ボーリング作業に出ているシリンダとピストンを待っている間にシリンダヘッドのバルブシートカットをしています。
距離を走ったバルブシートはバルブとの当たり面にかなりカーボンが食い込んでいたり、傷がついていたりと、せっかく圧縮させようとして他の部品が頑張っていてもその小さな隙間から圧縮が漏れてしまって馬力が出なくなっていきます。 そこでバルブの当たり面を綺麗に研磨してバルブとの接着力を強くして本来必要な圧縮に戻す作業をしてあげなければいけません。 ウッドストックでは内燃機業者さんにお願いしないで当たり幅や位置を確認しながら自前で研磨してあげています。 レーサーとは違って何万キロも走ったエンジンのシートカットはそれはそれは大変で手の平に水膨れができるくらい根気強く作業しないと良いことにはなりません。
シートカットする際に当たりの具合を光明淡を付けて確認しながら削るのですけど、この光明淡をどんなに薄く塗って当たりを確認したとしても、実際にに密着しているのかは怪しいものですので、上の画像のような装置を使って実際にOHしたと言えるような数値が出ているかどうかの確認をして最終的な確認をしています。
今回のゼファー750のヘッドはメーターの数値は100を超えて振りきるくらいしっかりと密着していることがわかりひと安心。 自分の手元に自信がないわけではないですけど、それでも2重の確認よりは3重の方が安心ですし、数値で理解しておくと原因が解りにくいトラブルが出た時の消去方法をした時のひとつはこれで消去できますので、このようなやり方をとっています。 でないと、「あのとき、光明淡厚く塗り過ぎたかな? もしかしたらちゃんとシートカット出来ていなくて圧縮出ていなかったのかな?」 と後で悩んでも確認しにくい場所だとなおさらのこと、不安材料にならないようにするためでもあるわけです。
そして、部品の入手が困難なCBR400FのエンジンOH。 コンロッドの大端メタルにダメージがあったことからシリンダスリーブにもホーニング程度では消えない深い傷があったスリーブを入れ替えしました。 貴重なパーツを譲ってくれたヨッシーには感謝感謝です。 と同時にこの作業もヨッシーが担当。 ホーニングもしてくれてとても綺麗になりました。
そして、一番やっかいなのがコンロッドとコンロッドメタル。 当然のように新品はなく、数個ある中古を測定してどれが使用可能かの確認です。 おまけにとても大事なメタルも販売終了した厚さのものもあり、こちらも厚みを測りながらなんとか使えるものはないかと悩み中です。 新品の供給がある車両でしたらもうOHが完了して乗っていてもいいくらいの時間をこのような確認作業に費やしています。 手間はかかりますけどやればやるだけ勉強になりますね。 新品に交換するだけだとここまで入念に測定作業などしませんからね。
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