ノーマルGPZ900R試乗
先日のRC213Vに続きまして今回はフロント16インチのGPZ900Rの試乗です。 というのも現在ピカピカのGPZ900R(A16)も所有してとても乗りやすくカスタムしてあるものもあるというのに、昔乗っていたのと同じモデルを再度購入して、これからも調子よく乗れるように自分に乗ってもらって整備のメニューを考えてほしいというご依頼。
よーし、それならこんな古いオートバイだし、適当なインプレ言って、どうせ古くてフルノーマルで気になるところだらけだろうから、いろんなところが悪いことにしてたくさん儲けるでー、と腹黒く乗ることにしました(商売、商売、でへへ~)
まずは手押しで前後サスの動きを確認。 リアのノーマルサスは減衰もしっかりしているし、なんだか普通な感じ。 フロントは昔のノーマルってこんなもんよね、という感じのプニョプニョして動きすぎるかな? という感じ。
エンジンはこれオーバーホールしたばかりですか? というくらいの静かで細やかな音がして調子よさそうです。
そして、発進してみると… ん、なんなんこれ、めちゃくちゃ乗りやすいじゃん。 しかも各パーツの動きもいいし、やばいこれ欲しいかも? というくらい低速での取り回しは自然でサスの動きも程良くて、中速でもそれは変わらずブレーキ⇒リーン⇒加速に至る動作を与えてからのマシンの動きがこちらの意図に逆らわず(ここ大事です)とても気持ちの良い反応をしてくれて良い感じです。
さすが、ノーマルということですね。 やっぱりメーカーの開発の皆さんが時間をかけて作り出したことはあります。
もちろん、これをサーキットに持って行って速く走らせれるのかというと、それはいろんな荷重に耐えられない部分は出てくるのでしょうけど、街乗りを考えたら、正直言いまして何かを変更しなければいけないというようなところは見つかりませんでした。 逆に数あるカスタムマシン達でこれより乗りやすい900ニンジャは一体どれだけ存在しているのかというくらいカスタムというのは難しいものだと改めて実感したくらいです。
だけど… 商売が… 16インチなんて切れ込んでだめでしょ? とかこんな細いフトントフォークは剛性がなくて動きがよくないでしょ? とか、こんなピストンのすくないキャリパーなんて止まるわけないじゃんか? エンジンチューニングしないとパワーないでしょ? 等々言わないといけないのでしょうけど、 この絶妙のバランスを崩すのはもったいないし、どこかのパーツの変更で崩れたバランスを取り直すことはなかなか簡単ではありません。 これはこれでしっかりとメンテナンスをして長く乗れるようにしましょうねと提案することにします(泣)
こちらがもう一台所有の車両。 サス、ブレーキ、ホイール、FCRなどなど、お客様判断でパーツを変更してきましたけど、ものすごく乗りやすくてバランスの良く取れている900Rです。
どちらがいいのかというと悩むくらい違う乗り味で、同じバイクいらないでしょ?ということが言いにくいくらい似ていても違うマシンですね。
とにかくオートバイというのは乗ってなんぼですので、どんなに良いパーツを付けていたとしてもバランスが取れていないとまったく気持ち良くありませんので、何かの変更の際には知識のあるショップで見てもらわないと宝の持ち腐れどころか、バランスが変わってノーマルよりも全然乗りにくくなってしまいますので気を付けてくださいね。
RC213Vを乗ったおかげでオートバイはこうあるべきという基準がしっかりとしてとても役に立っています。 美味しいものを食べたことがないと美味しい料理は作れないのと同じ感じでしょうか?
皆様に支えられて、ありがたいことですね。