GPZ900RエンジンOH
なぜか同じ車種が集まってくるシリーズで、今回はGPZ900Rが何台も入庫してきまして、いろんな作業をしています。
こちらは車検での入庫。
そして、こちらはエンジンのオーバーホールでの入庫。
これからも末長く良い状態で乗り続けられるようにとのオーダー。
で、早速エンジンを車体から降ろして分解しながら各パーツのチェックをします。
シリンダヘッドの燃焼室、バルブを見ると燃料は結構薄い状態で走っていたのかな? という感じ。
ピストンヘッドも走行距離のわりにはカーボンの堆積量もそんなでもなく… (画像では真っ黒になっているので凄い堆積してそうですけどね)
シリンダヘッドのパーツを分解してみるとこんな感じになっていました。
このようにしてバルブガイドのガタを測定してみると、16バルブの中で2バルブが規定値を超えるガタが発生しており、このあたりのダメージを見てもやはり燃調が薄いのかなー、と思う一因でもあります。
シリンダの内径を測定して、ボーリングが必要かどうかの確認をしたり…
クランクシャフトの測定をしたりと、とにかくそのまま再使用できるのか、新品に交換しないといけないのかを測定して確認していかないといけません。 なんでもかんでも新品にしないといけないようなショップさんもあるようですけど、使えるものは使えると判断するのも腕の見せ所ですので、庶民の味方的な考え方でこのような流れでOH作業を進めるようにしています。
もちろん距離や時間で管理するべきパーツも多数ありますので、そこは適材適所的に対応しておりますが、高額のパーツに関しては事務的に捨ててしまうのは勿体ないので、しっかりと吟味するべきではないかと思っています。
このカムシャフトのように見た目で交換と判別できたら楽なんですけどね。
上記のミッションのギアやオイルポンプのパーツまで、細かく細かく見ていくのは本当に時間のかかるものでして、時間で考えると分解、洗浄、確認などの準備が9割、組付けは1割くらいの配分になるのではないかというくらい準備が大事ですね。