ウッドストックサイレンサー製作(Ninja H2)
Ninja H2のマフラー用としてずっと開発してきたサイレンサーです。
H2用とは言っても差し込み径が60.5mmでして、そのまま汎用のサイレンサーとして使えますので、良いものが出来たら販売してもいいかなと打算的なことを考えて作り始めたら、試作を作って使ってみると小さなトラブルが出て、対策を講じて作り直してみると、また小さなトラブルが出てしまいという繰り返し。 これがNinja H2というスーパーチャージャー搭載のとんでもないパワーがでているマシンだから出るトラブルで、他の車種では絶対に起こらないような現象であり、しかもウッドストックでの使用状況がシャシーダイナモでのパワー測定で全開にしまくったり、ガレージ414の光元選手がサーキットでこのハイパワーマシンをフルパワーを使いきって走ってくれるのもあり、手前みそながら、日本で一番酷使して使っているマフラーなのではないかという状況下で使用しているので、これをクリアすればストリートの使用では必要十分なクオリティーを確保できるのではないかと何度も何度も構造を変えたり、素材を変えたりしてトライしています。
一度、通販で安く売っているサイレンサーを使って見たら、走行中に形がなくなるくらいに破裂したことがあり、使用状況によってはその破壊力に驚くばかりでした。 他に販売している商品はみなさん何事も起きてないのかなと心配になるくらい凄まじい排気圧と排気温度が高いマシンですので、ノーマルのマフラーの開発はさぞや大変だっただろうなーと感心させられます。
ウッドストック製は何といっても特徴はアルミ削り出しで製作した構成パーツ。
通常ではこんなに時間をかけて作ることはコストを考えると不可能なのですけど、ウッドストックらしさを出したいと思い作り始めたらこんなことになってしまい、販売可能な金額にするにはどうしたものかと悩ましい状況を自分で作ってしまって、いつもながら皆さんを驚かすことばかり考えて墓穴を掘っていることに反省しております。
このエンドのフタを作るだけでも1日では終わらないくらい手間がかかる構造。
サイレンサーのステー部分はこのように独特なデザインにしておりまして、上の2本のボルトで留っている三角のステーの形状を変えることでいろんな車種やマフラーに対応できるように設計しました。
スプリングフックまでアルミの削り出しでの製作です。
こうやって自分のわがままでこだわればこだわるほど、おざおざとこのサイレンサーの削り出しパーツ以外のほとんどのパーツと組立てを担当していただいているガレージスパイラルさんには多大なご迷惑をおかけしておりました。 しかし、様々な工程を経て非常に強い構造になってまいりましたので、もう少しテストをしてみて状況がよかったら販売してみようかなと考えています。
この難しい状況、あくまでもH2だから大変なだけで、他の自然吸気のマシンでしたら何の問題もありませんので、最初に始めたのがH2であったことが逆に良かった(大変でしたけどね)のではないかと思います。
今シーズンもガレージ414号はレースに参戦するらしいので、ECUのマップ製作や足回りのセッティングでも関わっていきそうです。
H2をここまで使い倒しているライダーはいないでしょうね? 一体何台潰したのでしょう?
木曜日には何代目かのNinja H2のECUセッティングを行って、また今シーズンもサーキットで活躍してくれる予定です。
H2のECUマップはウッドストックマップが一番実戦的に使いやすいですよ。
だってここまでストリートでもサーキットでも調整しながらテストしているところはそうはないのではないでしょうか?
光元君が何台も廃車にしながら活動を続けてくれたり、ウッドストックにも常時ストリート用のH2があっていつも調整できる状況を作っていただいているので、とてもありがたいことです。