エンジン作業いろいろ(ZX-6R、Z1000J)
早くも10月になってしまいましたね。
最近はエンジンにまつわる作業が重なっておりまして、外装を外して、マフラーを外して、そしてエンジン部品を分解して、という作業が進めば進むほど、狭いショップの中にはばらされた部品が所狭しと置かれていて、平面という平面には何かしらの部品で作業するスペースがなくなってきました(汗)
エンジンのフルオーバーホールをすることもあれば、ある一部分のみの不具合の原因を探して、その症状を治すための作業だけをすることもあります。 このZX-6Rはサーキット走行だけで使用されている車両なのですが、長年の使用により、ギア抜けなどのトランスミッショントラブルが多発してきまして、次回のレースまでにあまり時間がないということで、フルOHは次回にして、今回はギアの具合を確認することになりました。
確認してみると、かなりの年数ノーメンテナンスでサーキットを走っていたので、それなりに各ギアは痛んでおり、それらを新品にすれば元通りに調子良くなってくれそうな感じでした。
カセットミッションなので、作業は楽ちんですね。
こちらはエンジンフルOHのZ1000J
最初はもっと大きなピストンがご希望でしたけど、しっかりオーバーホールしたらきちんとパワーは復活するし、何よりもエンジンのライフのことを考えてこれくらいで十分ではないでしょうか、という流れで決まったピストンと綺麗にボーリングが仕上がったシリンダが帰ってきました。
ピストンメーカーがボーリングオンリーとしている大きさのピストンだからといって、それを鵜呑みにしてしまって、スリーブが薄くなることでのトラブルが多く発生しているような気がしています。 ウッドストックではこちらで決めた数値よりも小さい肉厚しか確保できない場合にはスリーブの入替え、または、肉厚が確保できる大きさのピストンにしていただいています。 たった数馬力のために、無理して大きくすることのデメリットの方が嫌ですので…
こちらも同じくZ1000Jのシリンダヘッドです。
測定してみるとバルブガイドにガタが出ておりましたので、ガイドの入替えとバルブシートカット作業で再生しました。
シートカットはピストンクリアランスを規定値にするためにボーリングして、新品のピストンリングするのと同等の… いや、それ以上に圧縮確保をするためには重要な修正作業です。 この作業を内燃機専門業者さんに委ねているショップさんも多いと思いますけど、ウッドストックではこの大事なシートカットは細かく確認しながら、当たり位置、幅などを設定したいので、しつこくしつこく(とは言っても削りすぎは厳禁ですので、少しずつです)加工を進めております。 たとえ他の作業との流れで業者さんでシートカットしてもらうことがあっても、最後には自分でやり直して数値の確認までしています。
他にもゼファー750、Z1、そしてZ1、Z1000MK2、ZRX1100、ドカティのなんちゃら(車種名忘れちゃった…)のエンジンの作業があり、同時進行しないといけないので、それらの段取りを考えると脳みそがヒートしそうな状況になっています。 頼りになるよっしーもいるので、なんとか乗り切れるように頑張ります。