GPZ900Rオーリンズサス
GPZ900R用のオーリンズのリアサス
出荷時にはスプリングが75Nで21mmのプリロードがかかっています。
お客様はサーキット走行もされているとのことでして、マシンの向きが変わらないご様子です。
実際に試乗してみると、前後のサスペンションは必要以上に動きすぎており、取り回しが極めて重ったるいし、これでもかというくらいにリアの車高を上げているわりに、動き出すと重心が低くて、寝かせるのも起こすのも力が必要になる、よくあるニンジャの足回りでした。
このコメントは自分だけでなく、スタッフのキクキク(国際ライダーの喜久川光大先生です)にも試乗してもらって同じ意見でした。
フロントはすでにオーリンズのスプリングが使われているらしいのですけど、強くブレーキをかけただけで、ズコーンと一気に入り込んでしまい、残りの良い動きがまるでない状態。
リアも同じように乗車しただけでかなりのストロークを使っており、動いている最中はストロークの下の部分で仕事をしている感じです。
それは一般道をゆっくり走ってもわかるくらいですので、サーキットを走るには荷重が足らなすぎる状態でした。
そもそも21mmも最初からプリロードがかかっているので、更に追加したところで変わりばえはしないと思いましたので、スプリングとプリロードの関係を変えることに…
スプリングレートは何ランクも高いレートを選択し、油圧アジャスターを全抜き状態でも21mmかかるというのが許せないので、上下の画像にあるように、スプリングの下のストッパーをおざおざ(国際A級メカニックの小澤大先生です)に作ってもらってスプリングをオフセットして油圧アジャスターが抜いている状態でもプリロードが抜けるように設定しなおしました。
これでプリロードアジャスターの機能を使ってセッティングできるようになりました。
フロントも更に硬いレートのスプリングに、プリロードの量が足りてないので、スペーサを製作し、フォークオイルも粘度の硬いものに変更してノーズダイブのスピードを抑えるようにチューニング。
結果、重心位置が良くなり、前後のピッチング量、左右のハンドリングの軽さなど、非常に気持ち良く走るようになりました。
低コストでここまで良くなるんだなーと自分でも感心したニンジャのカスタムでした。
素材はいいパーツを生かすも殺すもセッティング次第ですね。