エンジンOH
6月、7月はスーパースポーツのエンジンばかり(ほぼレーサーだけど)オーバーホールしていましたが、8月、9月は古い空冷エンジンのオーバーホールを数多くやっています。
古いオートバイは構造も簡単で部品点数も少なくいので楽そうなのですけど、一番困るのは交換したい部品が廃番になっていて新品が手に入らないこと。
レースをやっていると、もの凄いサイクルの早さでエンジンのオーバーホールと共に内部のパーツを新品に交換しないといけません。
バルブなどは1000kmくらいで交換します。
確かに古いバイクのエンジンは回転数も低いですし、圧縮も低く、パワーもないからパーツが痛みにくいのかもしれませんけど、痛みが気になるパーツはさすがに新品にしないと気持ちが悪いですよね。
自分の常識だとクランクケースやクランクシャフトなんて確実に消耗品なんだけど…
30年以上も動いている旧車って大丈夫なのかな? っていつも不思議に思います。
だって一分間に何千回転も金属達がくるくる回っているのに…
壊れないわけないような気がします。
スパークプラグのホールとバルブシートの間には当たり前のようにクラックが入っています。
どう見てもシリンダヘッド全損でしょ?
でもこの状態のまま乗っているひとが多数おられます。
ないものは仕方ないですもんね。
なぜかシリンダヘッド単体でカムシャフトを仮組み
なぜかって、カムホルダーを組むときにM6のネジ山がことごとくトルクがかかる前にナメてしまうので、締付け確認&ヘリサート加工をするため。
結局、このヘッドはほとんどのメスネジがヘリサート処理されました。
エンジンOHすると新車にときのように完璧に快調になりますか?という厳しい質問。
一番大切なクランクケースやクランクシャフト(もちろんリビルド品はありますが)、シリンダヘッドなどの骨格部分を新品にできないのに完璧は無理な話ですね。
とはいえ、いつも万全は尽くしていますので、ご相談くださいませ。