ステップのポジション
来週に迫った全日本選手権の岡山国際サーキットラウンドの向けて、いつもお世話になっているRS ITOHさんから井筒選手が使うステップの仕様変更の依頼がありました。
早速、オーダーされたポジションに変更可能かどうか図面を描いてみて確認。
ステップベースプレートを作りかえることで対応できそうなので製作しました。
ポジション変更と言ってもほんの10mm程度の小変更なのですけど、ぎりぎりの操作を求められるライダーにとっては大きな数字なのですね。
速いライダーに共通しているのですが、ハンドルの位置、ステップの位置、シートの高さなどのポジションに大変気を使います。
遅いライダーですと、これがあまり気にならない…
なんででしょう?
遅いライダーはマシンなりに乗ることしかできません。 セッティングに関しても、単にマシンが曲がらないとか、跳ねるとか、ウイリーしすぎるとか、進入でリアがロックしてスネーキングするからなんとかしてほしいという要求をしてきます。
正直言いますと “おまえがそうならないように操作しろや~ へたくそが” なのです。
なぜポジションが大事なのか?
速いライダーは勝手に走るマシンを作りたいわけではなく、自分が理想とする操作が可能になるマシンを作りたがるからではないかと思われるのです。
この角度でステップバーを押し込みたいだったり、状態が前に行き過ぎないようにハンドルを手前に寄せたいだったり、シートのどの位置に乗ると荷重がかけやすいだったり…
ウッドストックのチームでも走行前は下の画像のようにポジションの確認から始まります。
速いライダーは何も特別なことをしなくても、普通のマシンを提供するだけで凄いタイムを出してくれます。
写真の大﨑選手はまさにその典型的なライダーです。 何も特別な要求はなく、当たり前の操作しやすいポジションと動きが感じやすいマシンを与えるだけで、どプライベーターの自分たちにはもったいないくらいのタイムで走ってくれます。
遅いライダーは要求が多いんだよな~
だってライダーが積極的に操作する気もないのに勝手に曲がって加速するマシンなんて作れるわけないものね。
二輪車を操作するのが楽しいからオートバイに乗り始めたはずなのに、贅沢なマシンやパーツがライダーをダメにしたのかしら?
速いライダーがどういうふうに乗りこなしているか良く見て良く考えないと速くなれませんです。