Z用ステム製作
Zのステアリングステムです。
現在、かなりのカスタムを施されているZなのですが、ハンドリングを改善したいとのオーダーで入庫しました。
試乗してみたところ、かなり神経質なハンドリングで、ついつい手に力が入ってしまい、気を抜いて走ることができないような状態になっていました。
ただ、いろんなところに手が入っていまして、根本的に何が大きな原因なのかが解りかねましたので、サスの調整を大きく変化させてみましたが、走りに大きな違いは感じられませんでした。
各寸法を測ってみるといろいろ解ってくるもので、気になる点はいくつかあるものの、一番効果的であろうステムの寸法の変更によるトレール量、前後の荷重分布を変えることにしました。
しかし、その一番肝のフォークオフセットの数字に自信がありません。
もしかしらた自分の考えがまったく間違っていて逆になるかもしれません。
それで、下の画像のようなオフセットを大きく変更できるような可変式にしてみました。
しかも、前後に10mmも変更(オフセットブラケットを作り変えたら、細かく変更可能になります)できるようにしているところが自信のなさの表れですね?
元々装着されていたものはトップブリッジが上下にオフセットしてありましたが、ハンドル位置が低すぎるのもよろしくない原因かな?と思い、フラットな形状に変更しました。
フロントフォークの突き出し量はキャスター角度を測定しながら設定してます。
やっぱりフラットなトップブリッジにするとフォークの突き出しはほとんどなくなりましたね。
リアを少し下げたいところですけど、スイングアームかリアサスを加工しないといけなくなるので、とりあえずは前で調整しています。
元は社外品のレートの高いスプリングを入れてありましたけど、ノーマルの柔らかいスプリングの方がまったりと走れそうなので、こちらをチョイスです。
セパハンの影響か初期のポワンポワンとしたフォークの動きは気になりましたので、少しずつかけていったら、プリロードは下の画像のようになってしまいました。
もっとひつようなら調整用のカラーを入れないといけません。
このような変更により、かなりナチュラルなハンドリングを取り戻すことができ、ずっとハンドルを握りしめて乗らないといけなかったピリピリしたオートバイから、少しは景色を眺めながらのんびり走れるようになりました。
このような作業をしていると、やっぱりオートバイメーカーの作っているノーマルマシンは良くできているものだと改めて感心させられます。
カスタムの際にはよくよく吟味しながら進めていかないとノーマルの性能に追いつけないですね~(なんか本末転倒なお話ですね…)