F4RRトップブリッジ製作
MVアグスタのF4RRのカスタムの続きです。
フロントフォークをオーリンズのレース用に変更するにあたり、フォーク径が変わりますので、トップブリッジを製作しないといけません。
ノーマルの形状に準ずると3Dでの切削が必要になりますし、ステアリングダンパーの取付けもトップブリッジに装備しなければいけませんので、かなり複雑な形になってしまいます。
デザインの関係から図面描き、プログラムと時間がかかりすぎるわりには、いつものごとく単品の製作になりますので、さらに大変な作業となるわけでして、しかも材料も大きなものからガンガン削り落していき、ほとんどのアルミは必要なくなります。
せっかく作るのなら今時の流行りと言いましょうか、剛性を落としたレーシングマシンぽい(とは言えストリートでの使用前提ですので、落とし過ぎない程度にしてあります)デザインにしちゃおうかな?と画像のような痩せてくびれているモデル体型にしてみました。
ついでに大きな穴も開いています。
横から見てみると上下の傾斜がおわかりになりますでしょうか?
この傾斜が時間のかかる根源です。 フラットな形状物との手間の違いは何倍にもなるのです。
オフセットタイプ、フラットタイプのどちらが良いというわではなく、フォークの長さ、ハンドルの高さ(ポジション)、フロント周りの剛性感などなど、ケースバイケースで仕様を決定しなければなりません。
今回の場合、トップブリッジをフラットにして、ハンドル位置を上げた方がライダーは楽になるかな?とも考えましたけど、結果ノーマルと同じオフセットにしたのは、このフォークをどの位置で使ったら具合が良くなるか読めなかったからでして、もしかしたら大きく突き戻さないといけなくなるかもしれないという不安から、長さに余裕を持たせるためにも、このような下にオフセットした形のままの方がセッティングの幅が広がるので、保険のためにこうなりました。
せっかく作るなら恰好良くしたいし、せっかく作るなら性能良くしたいし、という願望を両立させていくのがウッドストックの仕事なのですけど、出来上がってオーナー様が喜ぶお顔を見るまではかな~りのプレッシャーがかかりますね…