CBR1000RR,ZX-10RエンジンOH
CBR1000RRのエンジンです。
各部の測定(クランクシャフトの歪み、クランクシャフトジャーナル、ピンの外径、カムシャフトの歪み、ジャーナルの外径、シリンダの内径、ピストンの外径、バルブガイドのガタなどなど)をしまくりまして、実際に組み付けまでにオーバーホールのほとんどの作業をこのような組むための準備に時間を割くわけです。
分解して、洗って、組むだけの作業をオーバーホールと称していることも予想されますので、しっかりとショップさんの知識、技量、を見極めてオーダーすることをオススメします。
そして、現状どのような数値で走行していたのかを知るカギとしてバルブとバルブシートがどれくらいしっかりと密着していたかも気になるところですので、下の画像のように真空引きででれくらい圧縮が漏れていたかを測定して数値で把握しておきます。
この車両は走行距離が少なかったこともあり、それほどひどい数値ではありませんでした。
サーキットで使うということで、しかもタイムの設定まで言いつけられましたので、ポートの加工(と言っても、気になるところの形状の変更プラスアルファ程度の加工です)と面研して圧縮を上げる作業をウッドストックのワークショップで行いました。
こちらは同時に行っているZX-10Rのシリンダヘッドです。
上のCBRと比べると明らかにパワフルそうなデザインをしていますね?
こちらもレースで使用するのでしっかりとポートの加工をしております。
丁寧にシートカットをしてあげてから…
恐る恐るまた真空引きでしっかりと密着しているかを確認します。
げっ! 使い慣れた光明丹を使って確認すると全然当たっているように見えたのに、数値が出きっていないところがあるじゃんか~
泣きながらダメなところを丹念にシートカットをやり直して、また計測して、少し数値が上がって、またシートカットをしてという繰り返しです。
しっかりと丁寧に繰り返すと数値がついて上がります。 結果としては圧縮は漏れないということになり、性能は安定して組み付けることができるということになりますね。
やっぱり光明丹だけだと不十分ですね。
分解時に測定、組みながら測定ですので、時間はとてもかかります。
でも安定した性能を得ようと思うと当たり前の作業なのではないでしょうか?
しかし、時間がかかるからなかなか納車できないのが問題なのです。