2Dデータロガー
データロガーの画像です。
もうすぐ全日本のレースシーズンが始まるというのに、昨年からずっと(いやレースを始めた時からずっとかな?)どうしようもないタイムでしか走れない苦悩のライダーがおりまして、どのようにアドバイスしてもまったく効果が見られない状況でしたので、ロガーを貸出ししてあげて走行状態を見てみることに…
あまりに恥ずかしいので彼のデータはお見せできません。
下の画像は参照用で、それとは違いますので “えっ、10秒切っているじゃんか~” などという勘違いは無用でございます。
なぜこういう間違い探しに至ったかというと、当初はそのライダーのコメントに基づいてマシンのセッティングをしていたわけですけど…
“ストレートでマシンが振られる” というコメント⇒ セッティング⇒振られが減少する⇒タイム変わらず
“フロントフォークが底ヅキする” というコメント⇒セッティング⇒底ヅキは治らない⇒タイムが悪化する
こんなことの繰り返しになります。
実際は同じようにアクセルを開けていさえすればストレートの速度は変わりませんので振られの大小に関わらず(もちろんマシンから振り落とされるような振られならどうにかしないといけませんよ)タイムには影響はありません。 言い換えればタイムが良くない原因ではなかったということになります。
底ヅキ、ロガーで確認してみるとフロントフォークのストロークにはまだ余裕があり、それなのに底ヅキの対応でプリロードをかけたり、スプリングレートが高いものに変更することで、さらにストロークが減少してしまい初期の旋回が落ちて、より曲がらなくなってしまった。
このライダーだけではなく多くのライダー、メカニックが陥りやすい状況になっています。
ライダーは走行中にドキッとしたその瞬間のことばかりを気にして、大きな視野で解決しなければいけないことに気づかないことが多いのです。
トップライダーであればどっしりピットで待っていて、ライダーのコメントのとうりにマシンを調整してあげればおのずと成果が現れてくるのですが、そこに至らないライダーの場合、コースサイドでどのように走っているのかを目で見て実際に確認する方がはるかに効果的であると思います。
データロガーで見てみるとトップライダーと中くらいのライダーの差は総アクセル開度に大きな相違がありまして、せっかくパワーのあるエンジンを作ってもアクセルが開いていないのだからいつも小パワーで走っていることになり、結果マシンは前に進んでいないことになります。
それではなぜアクセルを開けないのか…
(重要なタイヤは無視するとして) リアサス? リンク? はたまたよく耳にするスイングアームの剛性?(この中くらいレベルでここまでマニアックなことを言われると正直笑ってしまいます)
進入⇒フロント 脱出⇒リア このようにしか考えられないといつまでたっても迷路からでられません。(こうなってずっと悩んでいる人が本当に多いような気がしますので)
だって魔法のバイクがあって、進入で信じられないほど旋回してクリップ(こうなってしまうと同じ場所であってもクリップとは呼べなくなるけど)で自分の行きたい方向にまっすぐ向いていたとしたらリアサスなんて必要なくリジットで十分です。 ドラックマシンだってそうですもんね。 むしろその方がパワーロスが少なくて前に進むわけですので。
出口に対していかに人より早めに向きを変えてあげれるかが重要なわけで、曲がっていないマシンの出口の調整だけ頑張ってもどうしようもありません。
えらそうに書いたりしていますけど、自分への戒めも含まれていますから一緒に悩みましょうね?
オートバイはライダー70、タイヤ20、マシン10(もちろんレベルにより割合は大きくかわりますので、買えるタイヤで頑張っているライダーのレベルだったらば、です)ですので、10%の部分のマシン部門を1割底上げしても11%(全体ではたった1%のアップ)ですけど、ライダーの70%の部門を1割底上げしたら77%になり、全体では7%もアップすることになりますので、大事な大まかに前後のバランスをとったらしっかりライディングを磨く時間に使うことをオススメします。
高価なレース用のアイテムがたくさんありますけど、まさに使い方が大事ですし、使うレベルが高くないと無意味どころかトラブルの原因にさえなりますので、慎重に取り扱いましょう。