ゼファー1100用ハンドル製作

ハンドルクランプのワンオフ製作

フロントフォークの径の異なるハンドルを見本にしてゼファー1100のインナーチューブの４３mm用のハンドルをそっくりさんで作ってほしいというご依頼。

今時のこれぞ削り出しというようなデザインではなく、懐かしさの漂うようなデザインなのが余計に大変な感じです。

鋳造の見本のハンドルクランプと同じようにするということは、かなり複雑な加工が必要になり、３Dの図面を描くのも一苦労になります。　しかも表面の状態もビレットで作りました、というような刃物の加工跡が目立つものではなく、そらがなるべく残らず、なだらかな面にしようとすればするほど、時間を掛けて細かく細かく削っていかなければいけません。

しかもフロントフォークのクランプとハンドルバーを取り付けるクランプ部分は当然ですけど角度が傾いていますので、治具に数回固定しなおしながら加工しないといけなくなりました。

ハンドルバーのクランプ部分はテーパーの凹凸で固定する仕様ですので、こちらの加工にも手間がかかっています。

この２つのクランプを作るのに要した時間は寸法の採取からこの形状に至るまでで、数日間要しました。　出来たものを見てから評価するのは簡単ですけど、図面も図面を描くための数値もない状態から作り出すのは並大抵のことではありません。　それでもウッドストックを信頼してくれて、日常のメンテナンスを含めた作業全般をウッドストックでとご依頼いただけるお客様に対しては、サービスの一環として特別にワンオフをお受けしている次第であります。　ワンオフは確実に赤字な部門ですけど、大事なお客様の大事なオートバイに装着するためのカッコいいパーツを作りたいという気持ちが勝った時にはお受けしておりますので、くれぐれもお手柔らかにお願い申し上げます。

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