ZRX1200エンジンオーバーホール
ZRX1200のエンジンオーバーホール
長-い組立てまでの準備期間が終わりましてやっとこさ組み始めました。
間違えることなく各シリンダのパーツの組み合わせで組めるようにこのような収納スペースで待機します。 ピストンやメタルなど隣のシリンダに行っちゃうとせっかく各部の測定したのが台無しになりますからね。
シリンダはホーニングをして小さな傷をなくしつつ綺麗なクロスハッチを復元しています。
シリンダヘッドはウッドストックの工作機械で平面出し+αの面研磨をしました。
測定前の測定では思いのほか平面が出ていなくて、OH時には圧縮比アップのためではなく平面を出すための面研はしておいた方が安心だと再認識しました。
バルブシートカットはいつも通り丁寧に丁寧に施工して、圧縮が抜けていないかの測定をして高い数値が出ていることを確認してバルブを組付けします。
面研したシリンダヘッドと新品のバルブを組むと綺麗で気持ちいいですね。
ハイカムを組む予定のカムスプロケットはバルブタイミングが調整できるように長穴に加工します。 もちろんこちらも外注にお願することなく自社の機械で思いのままに加工できますので楽ちんです。
組み始めたら途中で立ち止まることなく最期までリズミカルに組立てできるように、分解、各部の測定、パーツの修正、加工までの準備にかける時間は全行程の8割~9割くらいでしょうか? この準備がきちんとできていると組付けは1割から2割くらいの時間で完了しますし、きちんと整理された状態で組付けると間違いが起こる確率もぐっと下がりますので、毎回同じ動きで作業をこなしていくのが大事であると思います。 これが簡単そうで難しく、たぶん大丈夫だろうと怠けて途中の工程でついついチェックを怠ったり、怠った時でもそうそうトラブルが出るわけではないので、次はもっと怠けて更にチェックを怠るという負のスパイラルが生じるものです。 それでもよっぽどのことがないとトラブルに見舞われることはないのでしょうけど、知らず知らずのうちに100からだんだんと壊れない確立は減っていくもの。 こうならないようにいつも同じように同じ部品を測定して、規定値に入っていないと新品に交換、または修正。 そして同じように組むという手順を崩すことなく作業を進めることが常に一定のパフォーマンスを生むことに繋がることだと信じて日々作業に勤しんでおります。 しかし、これは決して効率の良いものではなく、時間をかけようと思うといくらでもかけれてしまいます。 ですので、ウッドストックの車両のお預かり期間が長くなることをご了承していただき、気長にお持ちくださいませ。