専用工具製作
特殊な専用工具の製作依頼があり、こんなものを作ってみました。
あまり知られていないサスペンションメーカーのリアサスを分解するために必要な工具です。 シリンダのフタを取るだけなのに、こんな形にしないとアクセスできません。 本体の製作に力を注ぎすぎてハンドル部分は失速して長いボルトにしてしまいました。
図面をくれればかなり楽になるのだけど、ほとんどの場合は部品を渡されて、「いい具合にお願いね」 と言う感じで、こちらで形状を考えて採寸して図面を描いて加工することが多く、自分で言うのも何なんだけど、使い勝手は非常に良いショップなんだろうなーと思ったりします。
こちらは以前作った工具たち。
買ってもいいのだけど、すぐに作業したいものだから、もう作っちゃえ、という話になって、このような何年かに一度しか使わないものが増えていってしまいます。
何でも作れそう(決してそんなことはないのです)なのが災いして、どんどん仕事の効率が悪くなっており、どこかで歯止めを効かせないとおざおざも機械もぼろぼろになってきましたので、仕事の受け入れ方を変えないといけないなと思案中なのです。
それにしてもいろんなもの作ってきたのはいいんだけど、本当に一回切りなものが多くて、本来の設備の使い方をまったく無視しており、この年になって少々反省したりしています。
なんて反省しながら、相変わらずワンオフでこんなものを作ってみました。 通常のヘルメットホルダーだと、ちょうどシールドがステップのヒールガードに当たって傷ついてしまうので、90°回転させたいというご依頼での製作。
たった90°変換するだけでも安っぽいのはマシンの質を落としてしまいますので、それなりに見栄えも考えて設計しています。
ブルーのアルマイトを施してマシン全体の雰囲気に馴染むようにしてみました。
これも出来てみれば誰でも作れる形ですけど、オーダーされて、「えーと、どうしたらちゃんと機能するのかなー?」 と考え始めてから形になるまではそれはそれは大変なことなのです。
よくショックを受けるのは、ウッドストックで作ったものを知り合いの金属加工業者さんが見て、「これくらいならもっと安く作れたのに…」 って言われた。 なんてことがありますが、いやいや、図面にするまでがほとんどの仕事で、加工が始まると、8耐で言うと最後の30分くらい(これくらいの時間でもドラマがあったりするのも同じかも?)のエネルギーの使い方で、わりとその最後のエネルギー分の料金しかいただいてないことがほとんどです。 この辺の事情を理解していただける方のみワンオフの加工を受け付けさせていただきますので、ご了承くださいませね。