Ninja H2 インジェクションセッティング
Ninja H2のECUのセッティングをしました。
お馴染みのGarage414号、この車体は一体何台目のH2なのでしょうか? これまでの2015、2016年式と比べてこの2017年式はECUの内容が変わっていることから、ゼロからのやり直しをすることに。
なんかホイールやら変わっていてだんだんとレーサーっぽくなっていました。
更には、リアブレーキの操作を左手で出来る仕様に変更されているまでは良かったのだけど、いわゆるサムブレーキであるはずのレバーはクラッチで、元々クラッチマスターシリンダだったものをリアブレーキのマスターシリンダとして使っているものだから、慣れるまで間違えまくりです…
シフトアップもシフトダウンもクラッチ操作なしで出来て、レースではスタートしかクラッチを使わないので大丈夫らしいのですけど、クラッチを切る時に親指を押すということがとっさにできなくて、この車両でいうリアブレーキを握って1速に入れてしまいエンストという間違いを何度もやってしまい、側から見てると、初めてオートバイに乗った人みたいな感じでした(泣)
このグラフはセットアップの途中経過のものですが、こんなにあっさりと230馬力をオーバーしてしまうH2をサーキットで操るのは並大抵のことではないでしょうね? というのもレースに精通していなければ、エンジンのパワーはあればあるほど速く走れると思われがちです。 しかし、このH2の約半分程度の110~120馬力のST600のマシンの方がはるかに速いタイムが出てしまうのが2輪車で走るオートバイの面白いところ。 いくらパワーがあってもタイヤにしっかりとパワーを伝えることができていないとマシンは前には進みません。 そのためには電子制御の調整も確かに強い味方にはなってはくれますけど、その前に足回りのセッティングが適正でないといけません。
今思えば750ccの140~150馬力程度のエンジンにFCRキャブレターで電気はスパークプラグを点火するだけの機能しかないマシンで、しかも現代のものとは比べ物にならないくらい、たいしてグリップしないタイヤで、よく当時のようなタイムが出ていたものだと感心させられます。 というくらいオートバイの場合にはタイヤが2つしか付いていないという宿命で、いろんな技術が発展したとしても、マシンの性能よりもそれを操るライダーの技量の比重が大きく、またいろんな装備が備われば備わるほど、マシンのバランスを取るという作業が難しくなってくるということが言えるかもしれません。 実際にこのH2でも良かれと思って何かのパーツをアップデートしてもすぐに結果が出るどころか、なぜかタイムが出なくなってしまったということが多々あります。 タイヤ、サスペンション、ブレーキなどなど、パーツ単体のスペックが高いものにすればマシンが良くなり速く走れるということはなく、適材適所でそれを効率良く使う上手なコーディネイトができていないと良いマシンにはならないのが真実です。
でも、オートバイは恰好も大事ですので、見た目と性能のバランスを上手に取れているマシンがやはり美しく見えるのでしょうね?