GSX-R1000エンジンメンテナンス
GSX-R1000L6のエンジンメンテナンスです。
レース車両として使用しているGSX-R1000。 高回転時のギアチェンジにおいて問題があるとのことで入庫されました。
以前もレース用のトランスミッションでよくあるギア抜けの症状が出ていましたので、ギアを数か所交換した経緯があるのですが、またしてもあの症状が出たかという感じです。 ウッドストックレーサーでも数年前に同じようなことになり、当時のライダーは度々ギア抜けしてコースアウトしていたことがあり、馴染みのあるミッションのチェックをしました。
街乗りだと絶対に不具合など起こりそうもない程度の消耗具合はあるのですけど、サーキットだとダメなのかなという感じです。
このところは旧車のエンジンが多かったので、現代のマシンのエンジンはガチャガチャしていなくて安心感がありますね。
とは言え、何度も何度もOHしているクランクケースはトルクの出にくい箇所もあり、ボルトへのグリスやオイルの塗布の仕方、もしくは脱脂したりと、それぞれを工夫しながら組まないといけません。 本来ならクランクケースの交換をしないといけないところなのでしょうけど、このままだましだましでやっていかないといけないところがプライベーターの辛いところですね。
オーナーさんにここのネジ山は気をつけてくださいと言われた別の箇所は全くトルクが出ませんでしたので、まるでZのエンジンかのように、ヘリサートで数カ所処理しないといけないところもあったりして…
だけど悲しい習性で、あまりにもいつも旧車でやっている作業なので、特別感もなく、やっぱり今回もありましたか? と言う程度でサクサクと作業は進行していきました。 どれだけいつも消耗したエンジンをメンテナンスしているのでしょうね?
変わって、こちらは新型のGSX-R1000R(2017)のインジェクションのセッティング。
リミッターが効きまくりの国内仕様ではサーキット走行は危ないということで、サーキット走行を前提とした制御の解除とパワー、A/F値を測定しながら調整を行っております。 他のお客様もGSX-R1000Rを注文しているということで、だんだんこの車種が増えてきているような気がします。