GSX1100S刀のエンジンオーバーホール
GSX1100S刀のエンジンオーバーホールです。
エンジンを分解しながらも各部チェックをし、分解を終えると測定が始まります。 これがきちんと出来ていなくて次々と作業が進んでいくと交換しなければならないパーツを再使用してしまうことになったり、逆にまだ使える部品なのに無駄に新品にしてお客様に負担をかけることになり、一体なんのための分解なのか、まったくOHになっていないということにもなりますので、とても大事な工程になります。
上記の画像の測定でバルブガイドのガタがありましたので、ガイドの入替えの作業が必要ということが解りました。
こちらはシリンダの内径の測定。
ノーマルのピストンのまま再使用できるのか、それともボーリングをしてピストンクリアランスを規定値に合わせないといけないのかを確認します。
クランクシャフトも測定。
歪みを測定して修正が必要なのか、ベアリングの状態も合わせてチェックします。 このパーツがクランクケースと共に一番大事ですので、シビアに確認したいところです。
トランスミッションもこのようにすべて分解して、各ギア、ワッシャ、クリップまでしっかりと確認して状態の悪いものは交換しなければいけません。
バルブシートは走行距離なりに荒れていましたので、当たりの径、幅を適正な状態になるまで測定しながら削っていきます。 後で擦り合わせするから適当でいいや、なんていう程度の作業だと絶対に圧縮は戻りませんので、手間をかけてやっています。
負圧で引っ張って数値が出るまでしつこく丁寧に修正しています。
ピストンを大きいものに変えても、ハイカムに変えても、この工程を怠けると良いエンジンにはなりませんので、とても大事な作業です。
いきなりシリンダヘッドの色が黒くなっているのは、ガンコートでペイントしているから。 溶剤に強いガンコートがエンジンには合っているように思いますね。