岡山国際サーキットテスト

ZX-10RRレーサーの初期調整に岡山国際サーキットに行ってきました。


少しだけ懐かしいウッドストック8耐マシンのカラーリングにしてくれましたウッドストックファンのお客様のZX-10RR。

まだまだ初心者ゆえ、「このままでパーツのことやセッティングことも何も考えないで練習したら大丈夫!」 というような一般的な状態のバランスを取るためのセッティングをするという名目での出張です。

この車両は前後のサスもノーマルで問題なく、エンジンも速いので、ファイナルレシオと前後の高さ、強さのバランスを取るだけで、あとは練習するだけで大丈夫な良く出来たオートバイです。


自分はいつもサーキットに持ち込む前にショップで全ての作業を終了していますので、タイヤのエア圧を調整して、タイヤウォーマーを巻いたらすぐに走行できるようにしています。

それでも一応、増し締めとサスのセッティングの内容を再確認して事前に記しているノートと同じ数値になっているかの確認をします。

真面目にしているつもりなのに、春休み真っ只中の小学生を連れて来たばっかりに、しまりのない画像になっていますね?

すみませんです。


テストライダーをお願いしましたテイクアップの田村選手も自身のGSX-R1000RのJSBマシンを持ち込んで2台のテストをしてもらいます。

誰にお願いしようかなと考えましたが、村リン選手だと、乗ることが必死すぎて、「マシンはどうだ?」 と質問しても、「速いです…」 「それだけかよ~(怒)」 といようなことになりそうですし、Garage414の光元選手だと、進入から脱出まで2輪ドリフトしそうで、特殊なセットになるかもしれないという心配がありますし、柚木選手はお仕事がお忙しそうだし、喜久川選手は平日難しそうだし、大崎選手は恐れ多いし、自身のマシンの走行もあって、コメント力もあって、設定したタイムで周回することも出来、たぶん???転ばないだろう???という安心感???もある、かもしれない??? 田村選手にお願いした次第です。


となりのZX-10RRに比べると非常に高価なパーツで埋め尽くされている豪華なマシン。 だからと言って速く走れるわけではないのがレーサー製作の難しいところ。 とにかくバランスを取ってあげないと宝の持ち腐れになってしまいますので、高さ、速さ、強さ、これらを調整する必要がありますね。


このようなパーツもとても難しく、強ければ良いというものではないし、弱ければ良いというわけではないのです。


周回してはピットインし、的確なコメントをしてくれる頼もしいライダー。 私が手押しして作って来た状態では後ろよりも前が勝ってしまっていて後ろが低い、マシンが重い、クリップにつけない、外を通ってしまう、などなどの貴重なご意見をいただきました。 その他にも電気的な意見もいただきましたが、カワサキのレースキットでは変更できる項目がなく、調整不可でした。


ちゃんとしたデータをお渡ししたかったので、横着せずにサスを外して、調整しました。 以前のブログでもご紹介したようにサスの脱着は楽になりましたので。


後ろが低いからといって、サス長を伸ばすのではなくスプリングの強さで高さを出します。


上り、下り、それぞれのセクションでの状況を確認して、フォークの突き出し量も変更。 仕事が遅い自分が可哀そうで、作業を手伝ってくれる優しいタケちゃん。


走行のインターバルではちびっこ鬼コーチが全日本ライダーにライディングフォームを伝授していました(笑)

なんとなく様になっているのが面白いですね。

いつもウッドストックで私がいろんなライダーにフォームを教えているので、なんとなくそれを見て覚えたらしいです。


結果としては、とても良くなりました。

やったことといえば、リアのプリロードを数mmとフロントフォークの突き出し量をちょっとミリ変更しただけ。 ダンパーもレートも油面も一切手を付けていません。

しかし、前後の高さを少し調整するための作業をしただけでマシンの向かおうとする方向、角度は大きく変わります。それくらいオートバイというものはコースの各位置(一つのコーナーを何分割もした時)での高さを理解して、必要な高さに整えてあげるだけで良くも悪くも変化するものです。 それをタイムが出ない、速く走れない、恐怖感がある、曲らない、などの理由でパーツを変更したところで、結局のところ、整えるべきところを整える能力がないと、同じことの繰り返しになってしまいます。 今回は田村選手が優秀であることに加えて、私とのやり取りに慣れていることもあり、とても限られた周回数で的確なアドバイスを受け取ることができましたので、大変良いテストになりました。 あと大事なことは、やはりメーカーが作っているノーマルの状態がいかに良く出来ているかということ。 これらを踏まえてマシンを製作しないと、どんどんバランスを崩してしまい、ノーマル以上のパフォーマンスを出すことが出来なくなってしまいます。

「なんかこの10RR、自分のJSBマシンよりもバランス取れてるかも?」

と、言っていた田村選手の言っていることも間違っていないような気がします。


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