エンジンオーバーホール(ZX-9R)

ZX-9Rのエンジンオーバーホール

分解、洗浄、測定して、どのパーツを新品に交換するのかを確認して驚いたこと…

もうかなりの純正パーツが販売中止になっていて、なかなか思うような作業が出来ないこと。

エンジンの耐久性を考慮して、社外品のオーバーボアや圧縮比アップを避けたいという意向ではあったのですけど、純正のピストンを入手するのにここまで苦労するとは思いもよりませんでした。

とは言え、結局はオーナー様の尽力で海外で見つけていただき、時間はかかりましたが、なんとか作業を完了することができました。


コンロッドボルトはトルクと角度とボルトの伸びで確認しながら組付けます。


いつもの光景ですけど、大切なクランクシャフトのオイルラインはこれでもかというくらい綺麗に洗浄しないといけません。

なんとなく表面だけ洗っても目に見えない穴の奥には真っ白なウエスがこんなに真っ黒になるくらい汚れが溜まっていますので、せっかくOH作業をしていても、この汚れで新品のメタルを傷つけてはOHの意味がありませんので、しつこく丁寧に作業しています。


そして、トランスミッションも一度組んでしまうと、何かトラブルがあった時にはリカバリーに時間が必要となりますので、分解時にはしっかりとチェックして、気になる部品は新品に交換しないといけません。


案外見過ごしがちなミッションですが、わりとトラブルが多い部分です。


新品のピストンリングの合口のギャップ測定して、必要があれば加工します。


今回はシリンダのボーリングはなしで純正ボアのままホーニングのみで、ピストンを新品に交換しますので、シリンダの内径とピストンの外径をそれぞれ測定して、4気筒のピストンクリアランスのバランスが良くなるように組み合わせます。


シリンダヘッドはバルブガイドにガタがありましたので、こちらは新品に打ち替えをして、バルブシートのカットを施します。

もちろんバルブも新品に。


バルブシートカットをしましたら、きちんと圧縮が出ているかどうかを測定機で測って確認しています。

いろいろな項目で、“ここ大事!” というところは必要以上に丁寧に、そうでないところは必要以上に手抜きをして…(しないしない)


たくさんたくさんお待たせしていたエンジンは完成しました。


おまけに、スターターのワンウェイクラッチも新品に…


ステータコイルも新品に…


オイルポンプのローターも新品に…


そして、キャブレターも念入りにオーバーホールを施して…


4気筒分のキャブレターを全てバラバラに分解しましたので、同調も調整して、万全な状態にしました。


足回りも全てリフレッシュされたZX-9Rです。

なかなかここまで一度に手を入れることはありませんので、時間はかかりましたが、これから何年も調子良く乗れるように細かいところまで整備しました。


さらに、ありがたいことに、ウッドストックのステップキットもご用命いただきましたので、こちらも交換させてもらいまして、マシンのホールドもしっかりとできるようになりました。


数あるウッドストックステップの中でも好きなデザインのひとつの9R用です。

やっぱりシンプルなのがカッコいいですね。


ZX-9Rはエンジンには特別な社外パーツを使っていなくても、トルク感もあり、足回りもナチュラルなハンドリングで、とても乗りやすいオートバイですね。 まだまだずっと乗っていたい理由がわかります。


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